【要約】名著『バブルの物語』を紹介!絶対に読むべき投資に関するおすすめの本

こんにちは。しんです。
今回は、書籍『バブルの物語』を紹介します。
本書は、著者ジョン・K・ガルブレイスが1990年に書いた『A Short History of Financial Euphoria』の邦訳版です。
1630年代のチューリップ・バブルから1929年の世界恐慌などの事件で、その時の起こった人々の心情と行動がえがかれています。
本書はそのようなバブル時に発生する投機が、陶酔的・熱病的(ユーフォリア)な楽観ムードを伴って展開し、バブルが破裂して急激に崩壊し、悲惨な結末に終わる、という事情についておもしろく物語風に書かれています。

読みやすいのですぐに読み終わりますよ。
そして、投機という現象に共通するさまざまな要因を調べ、そこから「歴史の教訓」を導きだしています。
本書の内容は次の8章に分かれています。
- 投機のエピソード
- 投機に共通する要因
- チューリップ狂、ジョン・ローとロワイヤル銀行
- サウスシー・バブル
- アメリカの伝統
- 1929年の大恐慌
- 再び10月がやって来た
- 教訓は歴史から
本の内容は、半分以上が歴史上の出来事に関する物語になっています。

これが、読んでいて楽しく、かなりおもしろかったです。
著者のガルブレイス氏は、歴史上に発生したバブルから投機というものの本質を分析してます。
そして、わたしたちに対し、投機とはどういうものであるかを認識し、バブル破裂の犠牲となって損をすることのないよう、警告と注意を示しています。
ガルブレイス自身、警告の書とするためにこの本を書いたと述べています。
結論、本書は全員が読むべき書籍です。
今後もバブルは絶対に発生します。
その時に、たくさんの周りの人々が陶酔的熱病にかかってしまうのも必然です。
でも、この本を読んでいれば、あなたを陶酔的熱病から守ってくれます。
つまり、本書はバブルの発生、破裂からあなたを守ってくれる予防・処方薬みたいのものです。
この記事では、本書で紹介されている歴史上のバブル発生から破裂までの流れと、その時に発生する陶酔的熱病とその教訓を解説します。

それでは解説していきます。
投機のエピソード

資本主義の経済において、投機のエピソードが繰り返し起こることは必然です。
このような、投機のエピソード、つまり、証券、不動産やその他の資産にかかわる大小の事件は、多くの年、何世紀にもまたがって、歴史の一部を形成しています。
しかし、本書が書かれるまで、これらのエピソードが十分に分析されていませんでした。
陶酔的熱病が生じると、わたしたちは価値と富が増えるすばらしさに自惚れ、自分もその流れに加わろうと躍起になります。
それが価格をさらに押し上げますが、結局は破裂が起きて、地獄の結末となります。

これがバブルの破裂です。
本書では、陶酔的熱病の危険から守る方法は『集団的狂気としか言いようのないものへ突っ走ることに共通する特徴を明瞭に認識すること』しかないと述べられています。
しかし、こうした警告があまり歓迎されないような事情があると書かれています。
その理由は、こうした警告は、短期的には無知や羨望と捉えられて、すばらしいプロセス(投機)に対する攻撃だとみられるからです。
さらには長期的においても、市場の拡大に否定的であるようにみなされてしまう傾向にあるということでした。

群衆心理は怖いですね…
本書では、投機のエピソードに共通する特徴は次のプロセスと通ると詳述されています。
- はじめに、金融の才のある人(そのように言われている著名人)の心をとらえる
- そうして、投機の対象となったモノの価格が上がる
- そのモノは、今日買えば明日にはもっと価格が高くなる
- こうした価格上昇とその見通しが、さらに新しい買い手を惹きつける
- 新しい買い手がいれば、いっそう価格が上昇する
- そこでさらに多くの人が惹きつけられる
- より多くの人が買う
- 価格上昇が続く
- 投機に対する投機が盛り上がり、はずみがつく
さらに、こうしたプロセスで、投機に参加する人は基本的な以下の2つのタイプがあると書かれています。
- タイプ①:何らか新しい価格上昇の状況が根づいたと信じるようになり、市場は下がることなしに際限なく上昇を続けると期待する。
- タイプ②:タイプ①の人より保守的で、その時の投機ムードを察知する。あるいは察知したつもりになる。そして上昇気運に便乗する。自分は格別の才を持っているがゆえに、投機が終わる前に手を引くことができる、と確信している。
どちらのタイプの人も反落に対して早く逃げ出そうと一斉に動き始めるため、反落が静かでなだらかにくることはありません。
そのため、「投機のエピソードは常に、ささやきによってではなく大音響によって終わる」という一般論が成り立ち、これは数世紀にわたる経験に裏打ちされていると本書で説明されています。
つまり、投機的ムードの群衆心理を十分理解することが、そのような災厄から救われることができます。
しかし、この群衆心理の圧力は次の2つの非常に強い力に抵抗しなければいけません。
- 熱病的な信念が広まると、誰しも自分も儲けてやろうという気になるものであるが、そうした強い私利に抵抗しなければならない
- 熱病的な信念を強めるのに効果的な力となっている世論や一見すぐれた金融界の意見の圧力に抵抗しなければならない
この章をまとめると、陶酔的熱病のエピソードは、それに参加している人々の意思によって、彼らを富ましている状況を正当化するために、守られ、支えられます。
さらに、それに対して疑いを表明する人を無視し、厄介払いし、避難する意思によっても、同様に防衛されているのです。
投機に共通する要因

バブルに発生する陶酔的熱病が、なぜ何度も発生してしまうか?
その理由には次の2点があると本書では書かれています。
- 第一は、金融に関する記憶は極度に短いということ
- 第二は、金と知性とが一見密接に結びついているかのように思われていること
つまり、金融上の大失態は素早く忘れさられてしまうこと。
そして、お金がある人は賢い選択をすると勘違いしてしまうことです。
本書では、投機の行き過ぎとその結果の歴史そのものに興味を持つには十分の理由があると詳述されています。
大衆的狂気のドラマは、特にそれを離れた立場から見る場合は、とても興味深くおもしろいと感じるはずです。
さらに、それぞれの投機のエピソードがいつも決まって同じような形で終わるということを知った時、「やっぱりな」といった満足感を感じると思います。
上記で説明した、投機の共通の特徴が、繰り返しおこるのを実際に自分の目で見ることは、とても有用です。
なぜなら、再び同じような特徴が出てきたときに、それを見抜くことができて、投機の犠牲にならずに済むかもしれません。
しかし、金融上の熱病はすごい勢いで拡がるので、こうした警戒心を持つチャンスは難しいと本書では述べられています。

わかっているけど、ハマってしまうというやつです。
次に章では、具体的にどのようにして、絶頂からバブル崩壊に至ったのか過去の事案(チューリップバブル)を紹介します。
絶頂からバブル崩壊の事案:チューリップバブル

チューリップバブルとは、17世紀のオランダで起きた経済現象です。
チューリップの価格が異常なまでに高騰し、その後、急速に崩壊するという経緯をたどります。

オランダの経済史上、最も有名なバブルです。
このバブルは、17世紀初頭にオランダでチューリップの栽培が始まったことからはじまりました。
当初、チューリップは希少な品種として高い価値がつけられ、一部の裕福層が高額で購入していました。
その後、チューリップの需要が高まり、価格が急上昇。
次々と、投機家や一般の人々も市場に参入し、チューリップの価格がますます高騰します。
最高峰では、1つのチューリップの球根が家の価格を上回るほどの高値で取引されていたとのことです。
こうしたエピソードを支配する不変の法則のとおり、価格が上昇するごとに、より多くの人が投機へ参入する気になりました。
このことがさらに、投機へ参加している人の希望を正当化し、彼らがさらに買い進んで価格が上昇する道を拓き、いっそうの資産拡大が際限なく続くことを保証することとなります。
買うために借金がおこなわれました。
小さな球根が巨額の貸付の「レバレッジ」となったのです。
しかし、1673年に終焉が訪れます。
ここでも上記で紹介した、一般法則どおり事態が進みました。
賢明な人や神経質な人が手を引き始めたのです。
彼らが去っていくのを見た人々が、一斉に売りだしパニックとなります。
価格は断崖を滑り落ちるように暴落し、「レバレッジ」を使っていた人は突然一文無しになって、破産していきました。
このバブル崩壊で起こった貧困化は、その後のオランダ経済を長期的不況へとさせました。

まさに、日本で1980年代に起こったバブル崩壊と同じ流れです。
教訓は歴史から学べる

バブル時に起こる大きな損失を防ぐ方法は、上記のような歴史的事件から学ぶことです。
本書で書かれているとおり、金融的熱狂の過ちが繰り返し起こる過程は、チューリップバブル以来、何も変わっていません。
バブルが起こると個人も機関も、富の増大から満足感のとりことなってしまいます。
これが、自分の洞察力が優れているからだという幻想を抱かせます。
その理由は、知性は金の所有と相関関係にあると勘違いするためです。
この考えは、さらに価格をせり上げるという行動を助長させます。
この行動は、個人も集団的も賢明なことをしていると信じ込んでいるので、価値上昇が続く限り正当なものだと判断されるのです。
そしてこのように、上昇が続いた後、大きな幻滅と暴落の時がやってきます。
暴落は一瞬にして起こるため、必死になってなんとか逃げ出そうと努力しても失敗に終わります。
その後、暴落の原因追及は、予測がまったくできなかった特異なこととして考えられるため、うやむやになってしまいます。
結果、わたしたちは反省をすることなく同じことを繰り返すという流れになるのです。
結局、上記のバブル破裂時の損害を回避するためにどうすればいいのか?
本書では、以下のように書かれています。
現実には、唯一の矯正策は高度の懐疑主義である。すなわち、あまり明白な楽観ムードがあれば、それはおそらく愚かさの表れだと決めてかかるほどの懐疑主義、そしてまた、巨額な金の取得・利用・管理は知性とは無関係であると考えるほどの懐疑主義である。
書籍『バブルの物語』から引用

つまり、市場が楽観ムードだったら近寄らないってことですね。
まとめ:『バブルの物語』が語る、時代の教訓と警鐘

今回の記事では、書籍『バブルの物語』からバブル期に起こる人々の心情と行動、そこからの教訓について解説しました。
バブル期の人々の心情と行動ざっくり説明する次の流れです。
- 著名人が投機を始める
- 著名人がしてるから間違いないと盲信して、その流れに乗り遅れないように続々と投機に参加する
- 際限なく価格が上がる
- 突如、賢い人や神経質な人が売りはじめる
- やばいと思いみんなが一斉に売る
- 一瞬で大暴落する
- 今回起きた暴落は、特異なことで回避不可能であったと自分を正当化する
- 歴史が繰り返される

客観的に見たら単純に見えますよね。
バブルとわかっているのに、その時の群衆心理の圧力(陶酔的熱病)は凄まじく強いので注意が必要です。
そして、このような陶酔的熱病から自分を守る方法は以下の2つです。
- 高度の懐疑主義となる
- 市場が興奮ムードや楽観ムード、特別な先見の明に基づく独得の機会があると主張がされている時は近寄らない

投資しているすべての人が読むべき本だと思います。
もし、市場が大きく上昇し、全員の資産が拡大してお祭り騒ぎになっている時に本書を読み返すと、冷静になれます。
この本は、陶酔的熱病にかからないようにしてくれる啓発本です。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
この記事が何かの役に立てれば幸いです。
それでは失礼します。