【初心者向け】ステーブルコインとは?|仕組み・特徴・種類をわかりやすく解説!
こんにちは、しんです。
本記事では、仮想通貨の「ステーブルコイン」について仕組みや特徴、種類を解説します。
- ステーブルコインとは?
- ステーブルコインの仕組みと特徴
- ステーブルコインの種類
- ステーブルコインの入手方法
- ステーブルコインのリスク
この記事は、私が初めてステーブルコインの存在を知った時に欲しかった情報を書いています。
まだ、仮想通貨を初めて間もない方でも理解しやすいように書いたつもりですので、参考にしてもらえれば幸いです。
それでは解説していきます。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、国の信用に基づいて発行される米ドルなどの法定通貨と「1対1」の比率で交換できるように設計された仮想通貨の総称です。
つまり、原則「1ドル=1コイン」で交換できるので、米ドルに対して価値を固定しています。
ステーブルコイン仕組み
どうやって「1ドル=1コイン」を可能しているのかな?
それは、ステーブルコインの発行元が「法定通貨をコラテラルとして米ドルにペッグさせているから」です。
コラテラル?ペッグ?
意味がわからないですよね。安心してください。できるだけ噛み砕いて説明します。
ペッグ(PEG)とは?
ペッグ(ペグともいいます)とは、テントを張るときにロープを引っかける杭のことで、要するに「ドルと紐づけられている」ことを意味します。
つまり、ドルにペッグされているコイン(ステーブルコイン)とは「ドルといつでも交換できるコイン」ということです。
なんで、発行元はドルにペッグすることができるの?
それはステーブルコインが絶対に「1ドル=1コイン」で交換できるという信頼や裏付けがあるからです。
この信頼や確証を得るために「コラテラル」が必要になります。
コラテラルとは?
「コラテラル=担保」のことです。
ステーブルコインの発行元は、発行済みコインと同額の米ドルを手元に持っています。それを担保としてコインを発行しているんです。
つまり、「手元に本物の現金があるからいつでも米ドルと交換できる」、その信頼と裏付けがあるためステーブルコインを安心して利用することができるということなんです。
なぜステーブルコインを買うのか?
ところで、いつでも「1ドル=1コイン」で交換できる、つまり、ドルと同じ価値しかないなら、なぜユーザーはわざわざステーブルコインを買うんでしょうか?
確かに仮想通貨を買う人の多くは、「買った時よりも高く売って、その利益(キャピタルゲイン)で儲けよう」と思っていますよね。
ステーブルコインはたくさん購入したからといって、ドルに対して価値が増えるわけではありません。
ステーブルコインを10万枚持っていても、価値は10万ドルと一緒です。
じゃあ、なんでわざわざステーブルコインを買うの?
それは、すべての資産をドルや円での形で持っておくと、維持コストや送金コストがバカにならないからです。
例えばドルや円を銀行から送ろうと思うと、さまざまな承認を得る必要があり、手続きが複雑で手数料も高くなります。
だからといって、すべてビットコインで持っておくのは、変動幅が大きすぎて不安だし、使い勝手が良いとも言えません。
そこで、その中間的な存在としてステーブルコインが評価されているのです。
ステーブルコインはドルや円と連動しているため、急激な下落などの心配はありません。
さらにブロックチェーン技術を使っているので、「早くて安い」送金が得意で、多額の資金を動かすのにも好都合です。
つまり、両者の「いいとこ取り」をしたコインなので、使い勝手いいわけなんです。
ステーブルコインの種類
ステーブルコインの種類は大きく分けて3種類あります。
- 「法定通貨担保型」のステーブルコイン
- 「暗号資産担保型」のステーブルコイン
- 「無担保型」のステーブルコイン
理解するのが簡単なコインもあれば、なかなか理解するのが難しいものもあります。
今回はざっと種類と特徴を説明して、どの種類の通貨が自分にマッチしているのか判断できるように紹介しています。
①「法定通貨担保型」のステーブルコイン
テザー(USDT)やUSDCなどがこの種類になります。
- 長所:発行母体が倒産しない限り安全、実績のある企業や団体が発行している。
- 短所:無限に発行できない。発行され続けると担保が確保しづらくなるため、発行量が増えると担保を維持できなくなる恐れがある。
②「暗号資産担保型」のステーブルコイン
ダイ(DAI)やNEARなどがこの種類です。このタイプのステーブルコインはDeFiアプリ内でユーザーが自由に発行することができます。
- 長所:簡単にブロックチェーン上で発行できる。
- 短所:現金化しにくい。(いったんUSDC等に両替する必要がある。)担保が清算されるリスクがある。
③「無担保型」のステーブルコイン
完璧に理解して説明することは難しいので、意味がわからなかったら読み飛ばしてもらって問題ありません。
ざっくり説明すると、「Mint」&「Redeem」機能でアービトラージして1ドルのバンランスを取っています。
- 価格が1ドル以上の時→【Mint】:担保をバーン(消費)してドルを発行する
- 価格が1ドル未満の時→【Redeem】:ドルをバーンして担保を受け取る
「USTーLUNA」などがこの種類です。
- 長所:担保に縛られず発行できる。実質無限に発行できる。
- 短所:1ドルの価格を維持するのにマーケットやコミュニティの購買力に頼る必要がある。※USTとLUNAに需要がなければ価格が維持できない。過去に失敗したプロジェクト多数。
使いわけのポイント
ステーブルコインの種類と特徴を説明してきましたが、情報量が多く、聞いたことがない用語もあるため、なかなか理解することは難しいと思います。
なので、とりあえず「自分はどの種類のコインを使えばいいのか」ポイントをお伝えします。
まず安全性の順番は以下の通りです。
- 法定通貨担保型>暗号資産担保型>無担保型
ステーブルコインの使いわけのポイントは以下の通りです。
- 生活の中で使いたい、すぐに現金化する必要がある人→テザーやUSDC等の「法定通貨担保型」で運用する。
- DeFiでレバレッジをかけるためにドルを借りたい人→DAIなどの「暗号資産担保型」で運用する。
- 高いリスクを取ってでも高い金利で運用したい人→UST等の「無担保型」で運用する。
特に「無担保型」で運用する人はお金が0になる可能性もあるので要注意です。
ステーブルコインの入手方法
ここまでステーブルコインと仕組みと種類についてお伝えしてきました。
これらのコインは以下の3つの取引所で入手できます。
- CEX取引所
- DEX取引所
- ステーブルコイン専用DEX取引所
①CEX取引所
CEX取引所とは、「Centralized Exchange」の略称で中央集権取引所のことです。
つまり中央組織が管理、運営を行なっている取引所になります。
②DEX取引所
DEX取引所とは、「Decentralized Exchange」の略称で分散型取引所のことです。
CEX取引所と違って管理する中央組織をなく、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムを使って運用されている取引所になります。
③ステーブルコイン専用DEX取引所
ここは少し難しいです。読み飛ばしOKです。
この取引所の有名どころは、Curve Finance(カーブファイナンス)になります。
この「Curve(カーブ)」の特徴として、ステーブルコイン同士の両替が割安であることです。
理解できればステーブルコイン同士の両替はステーブルコイン専用DEXを利用するとお得です。
ステーブルコインのリスク
ステーブルコインの大まか全体像の説明をしました。
ここまで読んでいただければ、ステーブルコインがどういったものか大体掴めたと思います。
次はステーブルコインのリスクを解説します。
ここでは実際にあった、テザー社の発行しているステーブルコイン(USDT)が本当に裏付けとなるドルを保有しているのか疑惑が上がった事件について紹介します。
「テザー疑惑」とは何だったのか?
テザー(USDT)はテザー社が発行しているステーブルコイン時価総額第1位のコインになります。
テザーはドルペッグ型ステーブルコインとして、同じ金額のドルを保有しているため「1ドル=1USDT」で交換できるとして、とても人気を集めていました。
ところが、このテザー社は本当に裏付けとなるドルを保有しているのか、という疑問が持ち上がりました。
持っているはずのドルを持っていなければ、「テザーは常に米ドルの裏付けがある」という説明は虚偽ということになり、ユーザーに対する裏切り行為になるわけです。
結論、テザー社は発行している分の米ドルを保有していませんでした。
テザー社が公表した2021年3月末時点の保有資産の内訳によると、ドル及びドル預金の合計はおよそ2割しかなく、5割がコマーシャペーパーが占めていました。(※コマーシャルペーパーとは、企業が短期資金調達の目的で、公開市場で割引形式で発行する無担保の約束手形のこと)
この件で、USDTを裏付けるだけのドルを持っていなかったと認定されて、消費者に虚偽の説明をしたとして、4,250万ドルの罰金を支払っています。
その後、テザーはどうなったのか?
この事件を受けて、100%の資産の裏付けがないステーブルコインの価値は無くなると思っていました。
ところが、市場(ステーブルコインを保有している人たち)の出した答えは「価値がある」ということでした。
テザーの流通量(時価総額)は、事件後、一時的に落ち込こみましたが、その後は順調に成長を続けており、今も継続してユーザーの支持を集めています。
なぜ、保有資産に100%の裏付けがなくても、市場は支持を続けているのでしょうか?
それは、銀行の預金口座を考えると簡単にわかります。
私たちが銀行に預けたお金をいつでも引き出せるのは、銀行が同じだけの金額を保有していると信じているからです。
でも実際には、銀行はそのお金を別の人や企業に貸し出しているので、常に手元に預金総額と同額の現金を保有しているわけではありません。
なので、みんなが一斉に預金を引き出そうとすると、銀行は現金が足りずに破綻の危機に陥ってしまいます。
でも現実にはそうした取り付け騒ぎは、よほどのことがない限り起きません。
この状況はテザーで起きていることと一緒です。
確かにテザー社は発行済みのUSDTと同額の米ドルを常に保有はしていませんでした。
しかし、だからといって「1ドル=1USDT」で交換できる保証が無くなったというわけではありません。
すべてのユーザーが一斉にドルに換金したいと押し寄せない限り(ほとんどありえない)、「この約束はきっと守られる」と信じているからこそ、市場での評価は落ちなかったのです。
結局、ドルペッグ制は維持できるのか?
上記でドルと紐付けられたステーブルコインは、ドルペッグ制のリアル通貨と同じだと説明しました。
ドルペッグ制では、「1ドル=◯コイン(自国通貨の単位)」と決めたら、上下数%でその維持をするために、その国の中央銀行などが自国通貨を売ってドルを買ったり、ドルを売って自国通貨を買ったりして価格を調整する必要があります。
仮に景気が悪化し自国通貨が暴落すると、売るためのドルが足りなくなり、やがて買い支えることができなくなります。
上下2%の幅でペッグしていたものがやがて5%、10%…になっていくと、もうそれは変動相場制と変わりません。
歴史を振り返ると、経済発展途上国が自国の信用の無さを補うために、ドルの信用を拝借しドルペッグ制を採用したこともあります。
しかし、紛争や内乱、政治的混乱、景気悪化などを引き金に自国通貨が暴落し、変動相場制へ移行を余儀なくされたというケースがほとんどです。
もともと需要と供給の関係で、常に変動するはずの為替レートを上下数%の幅に抑え込もうというのもなので、どこかに無理が生じてもおかしくありません。
ドルペッグ制をさらにさかのぼると、金本位制に行き着きます。
保有する金(ゴールド)以上の紙幣は発行できないという縛りがあると、さらに紙幣を発行するためには、どこかの国から金を奪ってくるしかないので、帝国主義的な植民地争奪戦は不可避になるでしょう。
そう考えると、ドルを100%保有していたからといって、ステーブルコインがこの先もずっと安定しているという保証はないのかもしれません。
まとめ:ステーブルコインを使ってみよう
今回の記事では、ステーブルコインの仕組みと種類、リスクについて解説しました。
- ステーブルコインとは?
- 国の信用に基づいて発行される米ドルなどの法定通貨と「1対1」の比率で交換できるように設計された仮想通貨
- ステーブルコインの仕組みと特徴
- 法定通貨をコラテラル(担保)として米ドルにペッグ(紐付け)させている(1ドル=1コインで交換できる)
- ステーブルコインの種類(3タイプ)
- 「法定通貨担保型」のステーブルコイン
- 「暗号資産担保型」のステーブルコイン
- 「無担保型」のステーブルコイン
- 「法定通貨担保型>暗号資産担保型>無担保型」の順に安全
- ステーブルコインの入手方法
- CEX取引所:Binance、Bybit、Coinbase
- DEX取引所:Uniswap、PancakeSwap、TraderJOE
- ステーブルコイン専用DEX取引所:Curve Finance
- ステーブルコインのリスク
- 100%の担保が無くてもドルペッグ制は維持できるが、この先も安定している保証は無し
この記事を読んでいただければ、ステーブルコインを基礎的な知識を網羅的に理解できると思います。
ステーブルコインの理解は仮想通貨投資をする上で、通らなければならない道といっても言い過ぎではありません。
ここまでたくさん説明してきましたが、結局、実際にステーブルコインを買ってみることが一番の勉強になると思います。
仮想通貨を国内取引所で購入してから、DEX取引所で利用してみるのがおすすめです。
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今回の記事の内容は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。それでは失礼します。