公務員のiDeCoは”後回し”でいい|新NISA1,800万円を使い切ってから考える
「iDeCoって本当にお得なの?」
「2024年12月から公務員も月2万円に拡大したらしいけど、やっぱりやった方がいい?」
節税効果がすごいと聞くiDeCo。
SNSや書籍でも「やらない理由がない」と言われがちです。
でも、それを聞くたびに、なんとなくモヤモヤする──。
拡大したことは知っている。節税できることも知っている。
それでも、本当に自分が始めるとなると、足が止まる。
そう感じている40代、きっと少なくないと思います。
正直に言います。
私もそのうちの一人で、いまiDeCoをやっていません。
正確に言うと、「いつかは始めるかもしれないけれど、今は後回しにしている」という状態です。
40代、地方公務員、4人家族、住宅ローン35年持ち。
2020年から新NISAでインデックス投資、日本の高配当株、仮想通貨を組み合わせて運用してきた私が、iDeCoだけは”あえて”踏み込んでいない。
その理由は4つあります。
「やらないのが正解」と言いたいのではありません。
ただ、私のステージ(40代・公務員・家族あり・住宅ローン中・新NISA未満額)では、後回しが合理的だと判断しています。
この記事では、同じステージの方が「自分はどうするか」を考えるための材料を、できるだけフラットに整理しました。

こんにちは!救急隊長しんです!
地方公務員(消防士)として17年以上、そのうち10年以上を救急隊長として現場に立ってきました。
40代、妻と息子2人と暮らす4人家族、住宅ローン35年持ちです。
2020年から、新NISA・日本の高配当株・仮想通貨を組み合わせて運用しています。FP3級と簿記2級も取りました。
今日はそんな私が、あえてiDeCoに踏み込んでいない理由を、本音で整理してみました。
- iDeCoの仕組みとメリット・デメリット
- 2024年12月からの公務員拠出枠拡大(月2万円)の中身
- 40代公務員の私がiDeCoを”後回し”にしている4つの理由
- 新NISAとiDeCo、どちらを先にすべきかの比較
- iDeCoを今すぐやるべき人/後回しでOKな人の見分け方
結論:私(40代公務員)は、まだiDeCoをやっていません

まず最初に、私のスタンスをはっきりお伝えしておきます。
40代の地方公務員である私は、いまiDeCoをやっていません。
2024年12月から公務員のiDeCo拠出限度額が月12,000円から月20,000円(年24万円)に拡大されましたが、それを聞いてもなお、私はまだ手を出していません。
理由を先にまとめると、こうなります。
💡 私がiDeCoを”後回し”にしている4つの理由
- ①60歳まで引き出せない
- (4人家族・住宅ローン35年で、何があるか分からない)
- ②新NISAの1,800万円を先に使い切りたい
- (柔軟性で勝る)
- ③退職所得控除との合算問題
- (公務員退職金との出口戦略が複雑)
- ④正直、手が回らない
- (インデックス・高配当株・仮想通貨で頭がいっぱい)
誤解しないでほしいのは、「iDeCoはやらない方がいい」とは言っていないということです。
DeCoは制度として優れていますし、人によっては「いま全力でやるべき」ケースも普通にあります。
ただ、私のような「40代・公務員・住宅ローン中・新NISA未満額」のステージだと、新NISAを先に埋めるほうが合理的だと判断しているだけです。
この記事では、その判断の中身を、できるだけ正直に開きます。
読んだあとに「自分はiDeCoをやろう」と決めるのも、「やっぱり後回しでいいや」と決めるのも、どちらでも大丈夫です。
しん

私もずっと「iDeCo、どこかでやらないとなあ」と思いながら、結局、踏み込めずにいます。
その理由を整理してみたら、「ただ面倒くさかった」だけじゃない、ちゃんとした根拠があることに気づきました。
日はその4つの理由を、洗いざらいお話しします。
そもそもiDeCoって何?

判断材料を語る前に、iDeCoという制度を5分で説明します。
「iDeCoの基本はもう分かるよ」という方は、次のH2まで飛ばしてもらって大丈夫です。
「自分で作る年金」── 3階建ての3階部分
iDeCo(イデコ)は、正式名称「個人型確定拠出年金」といって、ざっくり一言でまとめると「自分で作る、上乗せの年金制度」です。
日本の年金は、よく3階建てと例えられます。
| 階層 | 中身 | 対象 |
|---|---|---|
| 3階 | 企業年金/iDeCo | 任意で上乗せ |
| 2階 | 厚生年金 | 会社員・公務員 |
| 1階 | 国民年金(基礎年金) | 全員 |
1階の国民年金、2階の厚生年金で土台ができていて、その3階に自分で上乗せできるのがiDeCo、というイメージです。
毎月いくらか掛金を払って、自分で選んだ投資信託や定期預金などで運用し、60歳以降に受け取る。
公務員も、2017年から加入できるようになりました。
最大のメリット:所得税・住民税の節税
iDeCoが「やった方がいい」と言われる最大の理由は、節税効果です。
節税のポイントは3つ。
- 掛金が全額所得控除
- (所得税・住民税が安くなる)
- 運用益が非課税
- (通常の投資なら20.315%かかる税金がゼロ)
- 受取時にも控除あり
- (退職所得控除・公的年金等控除)
ざっくり計算してみます。
所得税率10%・住民税10%(合わせて20%)の人が、月2万円(年24万円)拠出した場合。
節税額(目安)= 年24万円 × 20% = 年48,000円
つまり、毎年4.8万円が「税金を払わなくて済む分」として手元に残る計算になります。
これは確かに大きい。
運用益も非課税なので、長期で見れば「節税」と「複利」のダブル効果が効いてきます。
最大のデメリット:60歳まで原則引き出せない
そして、iDeCoの最大のデメリットも、ほぼ一点に集約されます。
原則として、60歳まで引き出せない。
掛金は所得控除になりますが、その代わり、お金は「ロック」されます。
途中で家計が苦しくなっても、教育費がかさんでも、住宅ローンの繰上返済をしたくなっても、iDeCoに入れたお金には触れない。
掛金を一時的に止めることはできますが、すでに拠出したお金は60歳までそのまま、です。
この「流動性ゼロ」を許容できるかどうかが、iDeCoを始めるかどうかの最大の分かれ目になります。
💡 iDeCoの構造をひと言で
- 「節税という強力なメリット」と「60歳までロックされる強烈なデメリット」が、表裏一体になっている制度。
ここを許容できるなら強い味方になり、許容できないならストレス源になります。
公務員のiDeCo|2024年12月から月2万円に拡大

2024年12月、公務員のiDeCoまわりで大きな改正がありました。
ここを正確に押さえておくと、判断のベースになります。
公務員の拠出限度額の変遷
公務員のiDeCo拠出限度額は、これまで何度か見直されてきました。
| 時期 | 公務員の月額限度 | 年額 |
|---|---|---|
| 2017年〜2024年11月 | 12,000円 | 144,000円 |
| 2024年12月〜 | 20,000円 | 240,000円 |
月12,000円から月20,000円へ。率にして約1.67倍の拡大です。
会社員(企業年金なし)の月23,000円にはまだ届きませんが、これまで「公務員はiDeCoの旨味が薄い」と言われていた状況は、だいぶ変わりました。
月2万円拠出すると、節税効果はいくら?
もし公務員が月2万円フルで拠出した場合、所得税・住民税の節税額はどれくらいになるか。
所得税率の代表的なラインで試算してみます。
| 課税所得 | 所得税+住民税 | 年間節税額(目安) |
|---|---|---|
| 〜195万円 | 15% | 約36,000円 |
| 195〜330万円 | 20% | 約48,000円 |
| 330〜695万円 | 30% | 約72,000円 |
| 695〜900万円 | 33% | 約79,200円 |
40代の中堅公務員なら、課税所得は概ね330〜695万円のゾーンに入ることが多いので、年7万円前後の節税効果が見込めます。
30年積み立てれば、節税だけで200万円超。
これは正直、無視できる金額ではありません。
拡大しても「やらない」という選択肢はアリ
「拡大したならやらない理由はないでしょ」
そう感じる方も多いと思います。
ただ、ここで考えたいのは、iDeCoは”枠が増えれば増えるほど良い”とは限らないという点です。
枠が増えるということは、それだけ「60歳までロックされる金額」も増えるということ。
月20,000円を30年積み立てれば、元本だけで720万円が60歳まで触れないお金になります。
40代・住宅ローン中・教育費が本格化するこのタイミングで、720万円を完全にロックして良いかどうか。
これは、節税額の大きさだけで決めるべき問題ではありません。

「節税7万円」だけ見ると、確かに魅力的なんです。
でも、家計全体で見たときに、「使えないお金」が720万円増えることが本当に正解か。
私はここで一度、立ち止まりました。次章で、その中身を1つずつ開いていきます。
40代公務員の私が、iDeCoを”後回し”にしている4つの理由

ここからが、この記事のいちばん核になる部分です。
40代の地方公務員である私が、なぜ拡大されたiDeCoに飛びついていないのか。
4つの理由を、ひとつずつ正直にお話しします。
理由①|60歳まで引き出せない(4人家族・住宅ローン35年の現実)
まず、いちばん大きい理由がこれです。
✅ 60歳まで引き出せない。
言葉にすると当たり前のことですが、40代の家計で考えると、これは想像以上に重い制約です。
私の家計を、ざっくり公開すると。
- 40代・公務員夫婦・息子2人
- 住宅ローン:35年で組んでいて、まだ20年以上残っている
- 親の介護・住宅の急な修繕・家族の予期せぬ病気・自然災害など、想定外の支出ポテンシャル
救急の現場に17年以上立っていて、いちばん身に染みているのは、「人生に”想定通り”はほぼない」という事実です。
救急車を呼ぶような事案は、ほぼ全員にとって”想定外”の出来事です。
事故・病気・けが・親の急変・家族のメンタル。
「まさかうちが」というケースを、私は数えきれないほど見てきました。
そんなとき、まとまったお金が必要になる場面は、たぶん何度かやってきます。
そこで、もし手元のお金の多くがiDeCoに入っていたら、どうなるか。
税金を払って解約すらできません。本当に、60歳まで触れない。
もうひとつ、ここで正直に書いておきたいことがあります。
私自身、仮想通貨FXで200万円を失った経験から、「動かせること」の怖さも、身に染みて知っています。
動かせるからこそ、感情的に動かしてしまう。詳しくは別記事「200万円ぶっ飛ばした地方公務員が学んだ、仮想通貨投資で絶対にやっていけない7つのこと」に書きました。
ただ、iDeCoで気になるのは「動かしたいかどうか」ではありません。
40代の家計には、想定できない出費が訪れます。
親の介護、住宅の急な修繕、家族の予期せぬ病気、自然災害──60歳までの間に、何が起きるかは誰にも分かりません。
新NISAのように「ホールドが基本だけど、本当に必要なときには手元に戻せる」。
この“いざというときの柔軟性”を、4人家族・住宅ローン35年の私は、まだ手放したくないんです。
住宅ローンを35年で組んでいる以上、繰上返済の選択肢も持っておきたい。
そう考えると、iDeCoに720万円ロックされる未来は、私の家計にはちょっと厳しい、というのが正直なところです。
💡 流動性は、節税よりも大事なときがある
- 「年7万円の節税」と「いざというときに使えないお金が720万円増える」
このトレードオフを、自分の家計で受けきれるかどうかで判断したい部分です。
理由②|新NISA1,800万円を先に使い切りたい
2つめの理由は、シンプルです。
新NISAの非課税枠1,800万円を、まだ使い切れていない。
そして、新NISAのほうが、iDeCoよりも私には合っていると感じています。
新NISAとiDeCo、両方とも「節税系の制度」ですが、性格はけっこう違います。
| 項目 | 新NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 非課税枠 | 生涯1,800万円 (年360万円) | 公務員:年24万円 (30年で720万円) |
| 引き出し | いつでも自由 | 60歳まで原則不可 |
| 掛金控除 | なし | 全額所得控除 |
| 運用益 | 非課税 | 非課税 |
| 受取時の課税 | 非課税 | 退職所得・公的年金として課税 (控除あり) |
新NISAは、「掛金の節税はないが、出口まで非課税で、いつでも引き出せる」。
iDeCoは、「掛金の節税はあるが、60歳までロックされ、出口では課税される(控除あり)」。
40代から60代にかけて、人生で何が起きるかは分かりません。
それなら、まずは「いつでも引き出せる新NISAの非課税枠1,800万円」を埋めるほうが、私にはしっくりきます。
新NISAを優先する根拠は、関連記事でじっくり書きました。

理由③|退職所得控除との合算問題(出口戦略の難しさ)
3つめは、地味だけど超重要な話。
iDeCoの「出口課税」が、公務員にとってクセが強いという点です。
iDeCoは受け取るときに、税金がかかります。
ただし、一時金で受け取れば「退職所得」として、年金として受け取れば「公的年金等」として、それぞれ控除が使えます。
ここで問題になるのが、退職所得控除の”枠”を、退職金とiDeCoが奪い合うという構造です。
公務員には、定年退職時にまとまった退職金があります。
人によって違いますが、概ね2,000万円前後になる方が多いです。
この退職金にも、退職所得控除が使われます。
退職所得控除は、勤続年数によって決まります。
退職所得控除の計算式(国税庁)
- 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数
- 勤続20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)
たとえば38年勤続なら、退職所得控除は800万円 + 70万円 × 18年 = 2,060万円。
この枠を、退職金とiDeCo一時金でシェアすることになります。
ここで「先にiDeCoを受け取って、あとから退職金を受け取れば、それぞれで控除を使い切れるんじゃ?」と思いますよね。
過去はこの”5年ルール”を使った節税テクニックがありました。
ところが、2024年12月の税制改正で、この5年ルールが10年ルールに変更されました。
iDeCoを先に受け取ってから、退職金を受け取るまでに「10年以上」空けないと、控除がフルでは使えなくなります。
つまり、60歳でiDeCoを受け取り、70歳で退職金、というのが現実的には難しい。
多くの公務員にとって、退職所得控除はiDeCoと退職金で”取り合い”になるのが現実です。
節税のメリットを享受しても、出口でその一部が消える可能性がある。
ここは、シミュレーションをかなり丁寧にやらないと、トータルでお得かどうかが見えにくい部分です。
💡 公務員のiDeCo出口問題
- 退職金が大きい公務員ほど、退職所得控除を退職金がほぼ食い尽くすパターンが多い。
- そうなると、iDeCoの一時金には控除があまり残らず、出口での節税効果は薄れる。
- 年金受取にして公的年金等控除を使う、という選択肢もあるが、こちらも他の年金との合算課税となる。
理由④|正直、手が回らない(管理コスト・心理コスト)
そして4つめ、これはちょっと情けない話ですが、正直に書きます。
手が回らない。
私はいま、新NISAでインデックス投資、日本の高配当株を50銘柄以上、そして仮想通貨も少しだけ持っています。
ここにiDeCoを加えると、口座が増え、運用商品が増え、税金処理が増え、頭の中で管理する箱が増える。
本業は救急隊長で、夜勤も明け勤務もあります。
家では4人家族の父親で、子どもの行事や家事もあります。
そのうえで、ブログを書いて、年間100冊くらい本を読んで、投資もやっている。
これ以上、「手間が増えて、頭のリソースを取られる仕組み」を増やしたくない、というのが本音です。
iDeCoは、はっきり言って「いちど設定したら放置」でいい商品です。
でも、それでも年末調整・確定申告での控除手続き、運用商品の見直し、口座管理料の発生、給与天引きか口座引落かの選択など、“判断ポイント”が一定数発生します。
新NISAだけでも、毎月の積立設定・成長投資枠の使い方・銘柄の見直しでやることがある。
そこにiDeCoを加える余力が、今の私にはまだない。
これは「制度の良し悪し」ではなく、純粋に私の人生のフェーズの問題です。
そして、同じように手が回らない方は、世の中にたくさんいると思っています。
しん

「節税効果がすごい!」と聞くと、つい焦って始めたくなります。
でも、手が回らない状態で増やしても、ちゃんと運用できないし、家計の余白も減ります。
私はまず、自分が回せる範囲で新NISAを着実に。iDeCoは、そのあと。これが今のところの結論です。
新NISAとiDeCo|結局どっちを優先すべき?

「結局、私は新NISAとiDeCoのどっちから始めればいい?」
これは、本当によく聞かれる質問です。
結論から言えば、「ほとんどの人にとって、新NISA → iDeCoの順」が、私の中の答えになります。
その理由を、3つの切り口で整理します。
流動性で比較する(圧倒的に新NISA)
1つめは、流動性。
新NISAは、いつでも自由に引き出せます。
売却すれば翌年に非課税枠も復活します。
iDeCoは、60歳まで原則動かせません。
これは、繰り返しになりますが、40代の家計には重い制約です。
子どもの教育費・住宅ローンの繰上返済・家族の医療費・親の介護。
これらが想定通りに進むなら良いですが、ほとんどの人は「想定よりお金が必要になる」を経験します。
その時、「使えるお金」がどれだけ口座にあるか。
これは精神的な余裕にも直結します。
節税で比較する(拠出時はiDeCo)
2つめは、節税。
この切り口だけ見れば、iDeCoの方が強いです。
新NISAは「運用益が非課税」というメリットしかありません。
iDeCoは「掛金が全額所得控除+運用益が非課税+受取時に控除」と、3段構えで節税できます。
ただし、出口での控除は退職金との合算問題があるので、実質的な節税効果は人によって大きくブレる。
そして、新NISAの「引き出しの自由」というメリットは、節税では計算できない大きな価値を持っています。
出口の柔軟性で比較する(新NISAは課税ゼロ)
3つめは、出口の柔軟性。
新NISAは、いつ・どれだけ・どんなペースで取り崩しても、すべて非課税。
60歳でも、65歳でも、70歳でも、好きな時に好きなだけ、税金を払わずに使えます。
iDeCoは、60歳以降に受け取り始めますが、一時金か年金かを選ぶ必要があり、受け取り方によって課税のされ方がぜんぶ変わる。
事前にシミュレーションして、最適な受取方法を選ぶ手間が発生します。
「老後に税金の計算で頭を悩ませたくない」
そう感じるなら、新NISAの方がずっとストレスフリーです。
私の結論:新NISA → iDeCoの順
以上を踏まえて、私の中の結論は明確です。
💡 私が考える、40代公務員の優先順位
- 生活防衛資金(生活費6か月〜1年分)を現金で確保
- 新NISA1,800万円を、できる範囲でコツコツ埋めていく
- 1,800万円が埋まる目処が立ったら、iDeCo(または企業型DC的な仕組み)を検討
- それでも余力があれば、特定口座での高配当株・自社株など
新NISAを埋め切らないうちにiDeCoに行くと、“使えるお金”を手放しすぎるリスクが大きい、というのが私の判断です。
「ゆっくり、でも確実に。」
急いで全部やる必要はありません。
自分の家計の体力に合わせて、無理のない順番で積み上げていけば十分です。
iDeCoを”今すぐやるべき人””後回しでOKな人”

ここまで「後回し」という話を続けてきましたが、もちろん「今すぐiDeCoをやった方がいいケース」もたくさんあります。
自分がどちらに当てはまるか、ざっくりチェックしてみてください。
今すぐやるべき人の特徴
- 自営業・フリーランス
- (厚生年金が薄い/拠出枠が月68,000円と大きい)
- 退職金がほとんどない会社にお勤め
- (退職所得控除を使い切れる)
- 住宅ローンを完済済み、または借入が小さい
- すでに新NISA1,800万円を埋めている/埋め終わる目処がある
- 所得税率が高い
- (年収900万円以上目安/節税効果が大きい)
- 60歳まで触らない覚悟が完全にできている
こういう方は、iDeCoの強力な節税効果をフルに享受できるので、始めない方がもったいないと思います。
後回しでOKな人の特徴
- 公務員で退職金が大きい予定
- (出口で退職所得控除を取り合う)
- 住宅ローンが残っている
- (35年とか、繰上返済の余力を確保したい)
- 新NISAをまだ満額にできていない
- 教育費が本格化するこれから5〜10年に40代を迎える
- 流動性を優先したい
- (いざというときの資金にしたい)
- 運用商品や口座の管理に手が回っていない
これらに3つ以上当てはまるなら、私と同じく「いまは新NISA優先、iDeCoは後回し」でも全然OKだと、私は考えています。
誰かの「やった方がいい」に流されて、自分の家計を圧迫する必要はありません。

同じ”公務員”でも、家計の中身は人によってまったく違います。
奥さんが正社員でしっかり稼いでいる、住宅ローンがすでにない、子どもがいない、退職金が少ない部署、再任用なし、など条件が変わると、iDeCoとの相性も変わります。
「自分はどっち寄りかな?」と、上のリストを一緒にチェックしてみてください。
私が今後iDeCoを始めるとしたら(条件と想定)

「じゃあ、しん隊長は一生iDeCoをやらないの?」
そう思う方もいるかもしれません。
答えは、「やるつもりはある。ただ、タイミングを見ている」です。
タイミング:新NISA1,800万円を満額にしてから
私の中で、iDeCoを始める”トリガー”は明確です。
新NISA1,800万円の非課税枠を埋め切る目処が立ったとき。
「埋め切った瞬間」ではなく、「埋め終わる5年くらい前」で動き出すのが現実的かなと考えています。
理由は、新NISAに月いくら入れて、iDeCoにいくら回せるかの家計バランスを確認しながら助走したいから。
拠出額:公務員枠フル(月2万円)か、半額か
始めるとき、いきなり月2万円フル拠出するかどうかは、その時点の家計次第。
子どもの教育費がいちばん重い時期を抜けて、ローン残債もある程度減っていれば、フル拠出してもいいかもしれない。
でも、まだ余裕がないと感じたら、月1万円から始めるのも全然アリだと思っています。
iDeCoは、後から拠出額を変更できるので、最初から無理しなくて大丈夫です。
金融機関・運用商品の候補
iDeCoの金融機関は、口座管理料・運用商品ラインナップ・サポート体制で選ぶことになります。
私が始めるとしたら、いまメインで使っているSBI証券か、楽天証券で始めると思います。
運用商品は、おそらく全世界株式インデックスか、S&P500インデックスを中心に。
60歳までの長期運用前提なので、ここで定期預金を選ぶ理由はあまりないと考えています。
(ここは、その時の自分の年齢とリスク許容度次第で見直します。)
それでもやるなら|iDeCoの始め方3ステップ

記事を読んでも「自分は今すぐiDeCoをやりたい」と決めた方に、ざっくりの始め方を整理しておきます。
- STEP1:金融機関を選んで、iDeCo口座を申し込む(公務員はネット証券が手間が少ない)
- STEP2:勤務先で「事業主証明書」を書いてもらう(公務員も必要)
- STEP3:拠出額と運用商品を決めて、運用スタート(年末調整 or 確定申告で控除)
申込から運用開始まで、だいたい1〜2か月かかります。
特にSTEP2の勤務先証明は、職場での書類のやりとりが必要になるので、余裕をもって動くのがおすすめです。
公務員のiDeCoでよくある5つの質問

Q1. 共済組合があるからiDeCo不要では?
A. 共済組合(退職等年金給付)と、iDeCoは別物です。
共済年金は2015年に厚生年金へ統合されたので、いまの公務員の2階部分は基本的に厚生年金です。
そのうえに「退職等年金給付」という年金が乗りますが、これは現役時代の積立的な仕組みで、自分で運用を選ぶものではありません。
iDeCoは、これらとはまったく別の「自分で運用先を選ぶ、自分専用の3階部分」。
共済組合があるから不要、ということはありません。
Q2. 退職金が多いと不利になる?
A. 不利になるケースが多いです。
本文でも触れたように、公務員の退職金は2,000万円前後になる方が多く、退職所得控除の枠をかなり使います。
iDeCoを一時金で受け取るときに「枠の残り」が少ないと、課税される金額が増えます。
ただし、年金として受け取れば公的年金等控除が使えるので、出口戦略をきちんと組めば必ずしも”損”にはなりません。
シミュレーションを丁寧にやって、受取方法を選ぶ必要があります。
Q3. 育休・産休・休職中はどうなる?
A. 拠出を一時停止することができます。
育休・産休・休職などで給与が下がっている期間は、iDeCoの掛金を0円にする(一時停止)ことが可能です。
復職後、また自分のタイミングで再開すればOKです。
所得が下がる期間は、所得控除の節税メリットも薄れるので、一時停止しておくのは合理的な判断です。
Q4. 年末調整・確定申告は?
A. 公務員は年末調整で控除を受けるのが基本です。
10〜11月ごろに、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届きます。
それを職場に提出するだけで、所得控除の手続きは完了します。
もし提出が間に合わなかった場合は、翌年の確定申告で取り戻すこともできます。
Q5. 途中でやめられる?
A. 拠出を止めることはできますが、引き出すことはできません。
iDeCoは、原則として60歳まで途中解約はできません。
家計が苦しくなった場合は、拠出を一時停止(0円)にして、運用だけ続けるのが現実的な選択です。
一時停止中も、口座管理料はかかります(月66円〜数百円程度)。
完全に「コストゼロで放置」ができるわけではないので、念のため覚えておきましょう。
しん

「途中で引き出せない」というのが、本当にiDeCoの最大のデメリットです。
節税という入口のメリットだけで判断しないで、「自分は60歳まで、このお金に触らなくて大丈夫か」を、一度ゆっくり考えてみてください。
それで「大丈夫」と答えられる人にとって、iDeCoはとても優秀な制度です。
まとめ|公務員のiDeCoは”後回し”でも大丈夫

ここまで、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
最後に、この記事のポイントをコンパクトに整理します。
- iDeCoは「掛金全額所得控除+運用益非課税」の強力な節税制度
- 2024年12月から公務員の拠出限度額は月2万円に拡大した
- ただし、60歳まで原則引き出せない「流動性ゼロ」が最大のデメリット
- 退職金が大きい公務員は、出口で退職所得控除を取り合うケースが多い
- 新NISA未満額なら、まずは新NISA1,800万円を優先するほうが合理的
- 自分の家計のステージで判断する。後回しでも、まったく問題ない
「やらない方がいい」とは、私は一度も言っていません。
ただ、“やった方がいいと言われているから、急いでやる”必要はない、というのが伝えたかったことです。
新NISAをコツコツ埋めていく。
家計の余白を保ちながら、無理のない範囲で投資を続ける。
そのうえで、人生のステージが変わってきたタイミングで、iDeCoを検討する。
これが、私が考える「40代公務員にとって、いちばん現実的なロードマップ」です。
「ゆっくり、でも確実に。」
急がなくていいです。あなたのペースで、いっしょに積み上げていきましょう。
先に新NISAから始めるなら、SBI証券が安心です

「iDeCoは後回しでいい、まずは新NISAから」と決めたなら、次の一歩は新NISAの口座開設です。
私が2020年から使い続けているのは、SBI証券です。
- 国内株式の売買手数料が完全無料(2023年9月のゼロ革命以降)
- 1株から買える「S株」で、高配当株のコツコツ買い増しもしやすい
- 米国ETF・全世界株式・S&P500インデックスファンドのラインナップが豊富
- 新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠ともに使いやすい
- 将来iDeCoを始めるときも、同じSBI証券のiDeCo口座へスムーズに連携できる
口座開設だけ先に済ませておけば、新NISAを始める準備は整います。
申込は完全無料、最短5分です。
新NISAでコツコツ始めるなら、SBI証券。日本株1株単位の「S株」も、米国ETFも、低コストインデックスもひと通り揃います。私自身も2020年からノートラブルで使い続けています。

ここまで読んでくれて、本当にありがとうございました。
「iDeCoをやってない公務員ブロガー」って、たぶんかなり珍しいと思います。
でも、自分の家計に合わせて、自分で順番を決めることのほうが、流行りに乗るよりずっと大事だと、私は信じています。
急がなくて大丈夫。
いっしょに、「ゆっくり、でも確実に。」積み上げていきましょう。
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執筆:しん隊長(消防士・救急隊長/FP3級・簿記2級)
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本記事の参考書籍・出典
主な出典・公的データ
- 厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」
- 国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
- iDeCo公式サイト(運営:国民年金基金連合会)
- 金融庁「NISA特設サイト」(新NISA非課税枠1,800万円・年360万円)
- 国税庁「所得税の税率」「退職所得控除額の計算方法」
- 令和6年度税制改正大綱(退職所得控除「10年ルール」改正)
※本記事の数字(拠出限度額・税率・控除額・節税試算等)は、2026年5月時点で確認できる公的データに基づいた概算です。最新情報・個別事情はご自身の課税所得・勤続年数等に応じて、各公式サイトおよび税理士等の専門家にご確認ください。実際の運用成績や将来のリターンを保証するものではありません。
