【失敗しない】インデックス投資の出口戦略!資産を最高効率で活用する「4%ルール」を解説!
こんにちは、しんです。
当ブログでは、自由を目指すための着実な資産形成の方法としてインデックス投資をおすすめしています。
インデックス投資は、何があろうともとにかく継続することが重要です。
コロナショックで暴落を経験した人でも、リスク許容度を踏まえた運用をしていた人はほとんど投資を継続できたと思います。
でも、もし自分が引退する時に暴落したらどうしよう…。
皆さんも、上記のように「引退直前や引退後に暴落が起きてしまったら…」と不安で悩んでいませんか?
自分が亡くなるより先に、積み立てた資産が無くなってしまうことを心配する人もいるでしょう。
そこで本記事では、失敗しないインデックス投資の2つの出口戦略を解説します。
- 「引退時の資産×4%」の【定額】取り崩し
- 「毎年の資産残高×4%」の【定率】取り崩し
長い時間をかけて積み立てたインデックスファンドを、できるだけ効率的に資産が枯渇しないように取り崩していくか?
金融大国のアメリカでは、以下の視点で研究している人たちがいます。
- どんなポートフォリオで取り崩すか
- どの程度ずつ取り崩せばいいか
- 何年後に資産はどれくらい残るのか
研究結果を参考にした資産の効率的な取り崩し方法を学んでいきましょう。
それでは解説していきます。
インデックス投資の出口戦略「4%ルール」は2種類
皆さんも耳にしたことがあるかもしれませんが、インデックス投資の出口戦略では「4%ルール」が有名です。
しかし、上述した通り「4%ルール」には2種類あります。
- 「引退時の資産×4%」の【定額】取り崩し
- 「毎年の資産残高×4%」の【定率】取り崩し
名前が似ているため混同してしまう人も少なくありません。
そのため、今回は一つずつ具体的に事例をあげながらわかりやすく解説していきます。
①引退時の資産の4%を【定額】で取り崩す
「引退時の資産の4%を定額で取り崩す」の内容
まずは、引退時の資産の4%を定額で取り崩す方法を見ていきます。
資産3,000万円を持って65歳で引退する場合
- 1年目の取り崩し額:120万円
- (3,000万円×4%=120万円)
- 2年目の取り崩し額:120万円
- (3,000万円×4%=120万円)
- 3年目の取り崩し額:120万円(同上)
- 4年目以降も同じ
計算は簡単です。
引退時の資産の4%(上記の例なら120万円)を定額で取り崩していくことになります。
普通に考えると、3,000万円÷120万円=25年で資産が無くなる計算です。
しかし実際には、運用しながらの取り崩しであれば資産はもっと長持ちする可能性があります。
ここでアメリカの研究結果を紹介します。
1998年にアメリカのトリニティ大学の教授3人が「トリニティ・スタディ」という研究を発表しました。
前提条件から確認していきます。
- 対象期間:1926年〜1995年の70年間
- ポートフォリオ:株式50%と債権50%
- 取り崩し率:年4%
結論から言うと、研究の結果、30年経っても96%以上の確率で資産が残っていることがわかりました。
さらに複数のシナリオで検討したところ、中央値ベースで当初の資産が8倍にまで成長しました。
より具体的な金額で表すと以下のようになります。
- 3,000万円を持って引退し、
- 4%に相当する120万円を30年間取り崩し続けたら、
- 30年後には残高が2億4,000万円に増えていた。
驚くのはこの結果が、一番良かったケースではなく、中央値であったことです。
「トリニティ・スタディ」の対象期間である、1926年〜1995年の70年間には、もちろん大暴落や弱気相場も含まれています。
1929年のウォール街大暴落、1987年のブラックマンデー大暴落の中でも、4%ずつ定額で取り崩しているわけです。
その上でこの結果なので、皆さんが想像している以上に、資産は長持ちする可能性が高いです。
でも、1998年の研究だから、ちょっと情報が古いのでは…
皆さんも中にも同じように感じた人がいると思います。
実は2011年に「トリニティ・スタディ」の筆者自身によって、検証用データが更新されました。
結果は、それほど大きく変わっていませんでした。
さらに2018年には、他の研究者によって「トリニティ・スタディ」が更新されました。その研究結果は以下の通りです。
前提条件
- 対象期間:1926年〜2014年の88年間
- ポートフォリオ:株式50%債権50%
- 取り崩し率:年4%
結果
- 30年どころか35年後に資産が残っている確率が96%
- 40年後に資産が残っている確率が86%もある
(出典:RetirementResearcher – Safe Withdrawal Rates for Retirement and the Trinity Study)
「4%ルール」が現在でも有効だということがわかりますね。
「トリニティ・スタディ」に関するよくある3つの質問
「トリニティ・スタディ」について解説しましたが、色々な疑問を持った人もいると思います。
そこで今回は、「トリニティ・スタディ」に関するよくある3つの質問について解説していきます。
- 株式と債権の投資先は何か?
- 日本人の場合、為替リスクがあるのでは?
- 優良はアクティブファンドに投資すればより高いリターンが得られるのでは?
株式と債権の投資先は何か?
「トリニティ・スタディ」では、米国株式・米国社債のインデックスファンドを前提にしています。
具体的な投資先は以下の通りです。
- 株式:S&P500連動のファンド
- 債権:高格付け社債に投資するファンド
どんな投資先でも良いというワケではないので注意しましょう。
おすすめのS&P500連動のファンドに関しては、以下の記事で解説しています。
結論、為替リスクがあることは間違いありません。
「トリニティ・スタディ」での取り崩しは、米ドルで行う必要があります。
そのため、毎年定額で4%取り崩したとしても、日本円でいくらになるかは為替レートによって変わります。
例えば資産額が30万ドルの場合、年間の取り崩し額は12,000ドルですが、為替レートによって日本円の金額は変わります。
12,000ドルを円に換算する
- 1ドル110円:132万円
- 1ドル100円:120万円
- 1ドル90円:108万円
皆さんが引退する時、大きな収入の柱の一つになるのが公的年金でしょう。
公的年金は日本円で受け取ることになるので、米国のインデックスファンドの取り崩しによって得られる米ドルは、相性が良い組み合わせです。
理由は、2つの通貨の年金を同時に手に入れられるからです。
- 公的年金:日本円
- 米国ファンドの取り崩し:米ドル
日本円の資産しか持たないことはリスクになります。
なので、4%ルールは日本人にとっても有効な方法だと思います。
優良なアクティブファンドに投資すればより高いリターンが得られるのでは?
ここまでの話をまとめると、株式50%債権50%のインデックスファンドに投資すれば、引退後に毎年4%ずつ引き出しても30年後に96%の確率で資産が残るというのが「トリニティ・スタディ」の研究結果でした。
仮に、アクティブファンドに投資する場合、ファンドに支払う手数料がどうしても高くなってしまいます。
その結果、「トリニティ・スタディ」によると、資産が残る確率は以下のように変わります。
- 手数料が年1%増加すると、資産が残る確率は84%
- 手数料が年2%増加すると、資産が残る確率は65%
(出典:Bogleheads.org – Trinity Study Authors update their results)
わずか1%の手数料であっても、資産が残る確率は大きく下がってしまう結果となりました。
さらに、大半のアクティブファンドは長期のインデックスファンドに勝つことはできません。
そのため、インデックスファンドへの投資が最適解と言えます。
②毎年の資産残高の4%を定率で取り崩す
「毎年の資産残高の4%を定率で取り崩す」の内容
次にもう一つの4%ルールである、毎年の資産残高の4%を定率で取り崩すことについて解説します。
4%の定率取り崩しは、インデックス投資の名著「ウォール街のランダムウォーカー」で紹介されている方法です。
書籍では、長期的に見た時の株式100%、債権100%、株式と債権50%ずつの平均リターンを以下のよう定義しています。
- 株式100%:約7%
- 債権100%:約4%
- 株式と債権50%ずつ:約5.5%
それなら、毎年5.5%で取り崩せばいいんじゃないのかな?
ここにインフレ率を考慮しなければいけないんです。
インフレは進めば進むほど、お金の価値は減っていきます。
つまり、株式と債権に50%ずつ投資した期待リターンである5.5%は、インフレ率の分だけ実質的に減少します。
そこでインフレ率を年1.5%だと想定して、ポートフォリオの実質リターンを4%(5.5%−1.5%)と考えました。
資産が4%ずつ増えるなら、4%ずつ取り崩しても資産は減りません。
しかし、定額で取り崩す一つ目の「4%ルール」とは違って、以下のように取り崩す金額は資産総額によって比例します。
- 資産1,000万円:約40万円
- 資産3,000万円:120万円
- 資産5,000万円:約200万円
「定率」なので金額は一定ではありません。
資産を長持ちさせるための3つの工夫
書籍によると、以下のような工夫をすることで資産を半永久的に長持ちさせることができます。
- ポートフォリオの期待リターンより、小さいパーセンテージで取り崩す
- インフレ率を高めに設定する
- 暴落相場では、取り崩し額を控えめにする
特に3つ目の暴落については、リーマンショックやコロナショックのような暴落相場は、過去のデータから見ても平均数年程度しか続きません。
暴落時に資産を取り崩すのは「安く売る」ことなので、取り崩す金額を減らす調整がおすすめです。
相場が回復すれば資産額も戻るため、ほんの少しの調整をするだけで資産は長持ちします。
元々、インデックス投資は毎年必ず資産が増えるワケではありません。
今年はプラス15%、来年はマイナス10%とのように年によって上下するものです。
長期(15年〜20年)で見れば運用は安定しますが、短期で見ると資産額は変動することを理解することも大切です。
まとめ:「4%ルール」を理解して、失敗しない出口戦略を考えよう!
今回の記事では、インデックス投資で増やした資産を効率的に取り崩していく2つの「4%ルール」を解説しました。
- 「引退時の資産×4%」の【定額】取り崩し
- 「毎年の資産残高×4%」の【定率】取り崩し
アメリカのトリニティ大学の教授3人が「トリニティ・スタディ」として発表した手法です。
株式と債権が50%ずつのポートフォリオで、「引退時の資産の4%」ずつ取り崩せば、40年後には資産が残っている確率は86%になります。
普通に使えば25年で無くなってしまう取り崩し額でも、86%の確率で40年保てるなら、確率的には十分な数字です。
60歳で引退しても、人生100年時代を謳歌できそうです。
書籍「ウォール街のランダムウォーカー」で紹介されている手法です。
同じく株式と債権が50%ずつのポートフォリオで、「毎年の資産残高の4%」ずつ取り崩せば、超長期的に見て理論上はお金が減りません。
ただ、定額で4%ずつ取り崩すのとは違い、毎年決まった金額が使えるわけではありません。
インデックス投資は継続することが何よりも重要です。
特に暴落時、相場のダメージを大きく受け代わりに、上昇相場では大きなリターンを得られる特徴を持っています。
だからこそ下落だけに目を奪われず、リターンのことも忘れてはいけないのです。
長期的に見れば暴落よりも上昇の方が大きいからこそ、インデックス投資はお金が増えることを忘れてはいけません。
「4%ルール」を正しく理解すれば、暴落相場でも淡々と積み立て続けることが将来の豊かな経済的余裕をもたらすことが分かるはずです。
出口戦略や暴落のデータを正しく知ることで、解消できる不安もあります。
一緒に学びながら、豊かな人生にしていきましょう!
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今回の記事の内容は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。それでは失礼します。