【初心者向け】最強指数「S&P500」とは?|特徴と将来性を徹底解説!
こんにちは、しんです。
本記事では、投資家から絶大な人気と信頼を得ている最強指数「S&P500」について解説します。
株式投資の始めようとしている皆さんの中には、米国株投資の関心が高まっている人も多いと思います。
実際、2023年5月15日現在のSBI証券の「売買金額人気ランキング」は以下の通りです。
S&P500指数に連動しているファンドが1位と3位にランクインしています。
皆さんの中にも、S&P500に投資している人も多いのではないでしょうか?
そんな皆さんに質問します。
- S&P500とは何か?
- S&P500に選ばれる会社の基準は?
- 投資先は500社なのに「米国企業全体を買うようなもの」と言われるのはなぜか?
上手に説明できるでしょうか?
どうしよう…。S&P500に投資しているのに、説明できない…。
「なんとなく雰囲気で…」投資している人が多いかもしれません。
そこで今回の記事では、意外と説明できないS&P500について、以下の2点を説明します。
- S&P500の歴史
- 絶対に覚えておきたいS&P500の6つの特徴
今回の記事を読んでいただければ、S&P500に投資していない人は、S&P500の魅力がわかります。
すでに、S&P500に投資している人は、理解がより深まるでしょう。
日々の株価に振り回さず、腰を据えた長期投資ができるようになります。
世界的に投資の王道である「S&P500」について、基本をマスターしましょう!
それでは解説を始めます。
①S&P500の歴史
S&P500の名前の由来
S&P500の「S&P」は「Standard&poor’s(スタンダート・プアーズ)」の頭文字になります。
スタンダードが「標準」、プアーを「貧しい」と訳すと、「標準的な貧乏企業500選」という解釈になってしまいます。
もちろん、それは間違いで、プアーは創業に関わった人物の名前です。
この方が、ヘンリー・ヴァーナム・プアー氏です。
Standard&poor’s社の誕生
それでは、S&P500誕生の歴史を簡単に見てみましょう。
ヘンリー・ヴァーナム・プアー氏は、1812年にアメリカ生まれです。
彼は1838年に弁護士資格を取得し、兄ジョン・プアー氏と弁護士事務所を開業します。
その後、当時成長中の製材業に投資をしてお金持ちになったのですが、1849年に転機が訪れます。
鉄道業界の有力者になっていた兄ジョン・プアー氏が「American Railroad Journal」という雑誌を買収しました。
弟ヘンリー氏はAmerican Railroad Journalの経営者編集者に抜擢され、投資家のためにアメリカ中の鉄道会社の経営状況をまとめることになったのです。
「鉄道業界に特化した会社四季報」的なものを作ったんです。
後に、ヘンリー氏は息子と共にPoor’s Publishing(プアーズ出版)を設立しました。
そして、「鉄道業界に特化した会社四季報」の改訂と出版を毎年行うようになります。
1905年にヘンリー氏が亡くなり、しばらく経った1941年にプアーズ出版は資金繰りに困ってしまいました。
そこで、Standard Statistics(スタンダード・スタティスティクス)という会社と合併することになりました。
この合併した会社の名前が「Standard&poor’s(スタンダート・プアーズ)」でした。
「合併あるある」ですが、強い方の企業名が先に来るのはいつの時代も同じですね。
S&P500の完成へ
スタンダード・スタティスティクス社は、1923年「アメリカの優良企業233選」のような指数をすでに作っていました。
1941年にプアーズ出版と合併した後は、指数に含める企業数は223から416に増加しました。
最終的に現在の500社という形式になったのは、1957年のことです。
ヘンリー・ヴァーナム・プアー氏が生まれてから145年、長い旅を経てようやくS&P500が完成したのです。
ちなみに、Standard&poor’s社は後にMcGraw- Hill(マグロウヒル)という会社に買収されました。
現在は、「S&P Global(S&Pグローバル)」という社名なっています。
興味深いことに、S&Pグローバル社自身もS&P500を構成する優良企業の一社なのです。
「自分が選んだ最強の500社」に自社が入っているのは面白いですね。
以上が、S&P500誕生の歴史です。
マネ知識として、頭の片隅に置いておきましょう。
②絶対に覚えておきたいS&P500の6つの特徴
次は、覚えておきたいS&P500の特徴を6つ解説していきます。
結論からお伝えすると、以下の6つです。
- 構成銘柄上位はGAFAM
- 時価総額加重型の指数
- 厳格な採用基準
- 現在はIT・ヘルスケアが主力
- 単位はポイント
- EPSは右肩上がり
順番に解説します。
①構成銘柄上位はGAFAM
まずはS&P500を構成している企業を知りましょう。
S&P500に最も多く含まれている銘柄トップ10は、以下の通りです。(2023年4月28日現在)
- Apple(アップル)
- Microsoft(マイクロソフト)
- Amazon(アマゾン)
- Alphabet(Google)(グーグル)
- Meta(Facebook)(フェイスブック)など
今をときめく大企業が並んでいます。
そして実は、S&P500は500社へ均等に投資していません。
500社へ均等に投資するなら1社あたり0.2%ずつの投資になりますが、1位のAppleには7.2%も投資しています。
また、上位10銘柄だけで全体の27.9%を占めています。
S&P500は、均等加重平均型ではなく「時価総額加重平均型」の指数なんです。
詳しくは次の特徴②で解説します。
②時価総額加重型の指数
上述した通り、S&P500は500社に均等に投資する指数ではありません。
例えば、Appleに7%、Microsoftに6%、Amazonには5%のように、各銘柄によって投資する割合にバラつきがあります。
つまり時価総額加重型の指数には、以下の特徴があります。
- 時価総額が大きい銘柄には、多く投資する。
- 時価総額が小さい銘柄には、少なく投資する。
時価総額は、「発行済株式数×株価」で計算ができます。
つまり時価総額が大きほど企業ほど、株価が高い人気企業と言えます。
人気のある大企業ほど、S&P500にたくさん組み込まれる仕組みです。
③厳格な採用基準
人気があればS&P500に選ばれるのかな?
もう少し具体的に、S&P500の採用基準を見てみましょう。
- 米国企業であること
- 時価総額が61億ドルを超えること
- 浮動株比率が最低50%あること
- 健全な財務(黒字決算)であること
- ユニバース全体のセクター構成に等しくなること
順番に説明します。
①米国企業であること
資産の所在地や売上が出ている地域、上場場所などを総合的に判断します。
米国企業であることが条件なので、残念ながら日本の企業は候補にすらなれません。
②時価総額が61億ドルを超えること
61億ドルは、日本円にして約8,200億円です。(1ドル=135円計算)
時価総額8,200億円を超える企業は、日本には約170社しかありません。
日本の上場企業は約4,000社だから、「ちっちゃい企業はお断り」ということだね。
③浮動株比率が最低50%あること
浮動株比率は、実際に株式市場で流通している株式の割合です。
例えば、会社が発行している株式のうち90%を創業者が保有していた場合、残り10%しか売買できないことになります。
上記のような多くの人が株式取引できない会社は、採用されません。
④健全な財務(黒字決算)であること
財務健全性の観点からも条件がつけられています。
直近の四半期が黒字決算、かつ直近4つの四半期の利益の合計がプラスであることが求められます。
つまり、しっかり利益を出している会社であることが条件です。
赤字企業はお断りということです。
⑤ユニバース全体のセクター構成に等しくなること
まず、ユニバースとセクターの意味を確認します。
- ユニバース:母集団
- セクター:業種
そもそも優良企業500社を選定するには、母集団があるわけです。
例えば、男女それぞれ10人ずついるクラスから、優秀な生徒2人を選ぶとします。
男1人:女1人の割合で選ぶルールがあると、「母集団の男女比」と「選ばれたメンバーの男女比」は一致します。
S&P500には、このような選抜のルールがあります。
S&P500のユニバースは米国企業全体です。
米国企業全体のセクター割合と同じになるように選抜されるので「S&P500は米国全体を表している」と言われることがあるのです。
ちなみに、S&P500の採用基準はある程度公開されていますが、すべてが明かされているわけではありません。
最終的には指数委員会が、S&P500にどの銘柄を新規に組み入れて、どの銘柄を除外するかを判断しています。
④現在はIT・ヘルスケアが主力
続いて、S&P500のセクター比率(2023年4月28日時点)を見てみます。
- 情報技術(IT):25.8%
- ヘルスケア:14.4%
- 金融:13.1%
- 一般消費財:9.9%
まさにハイテク一強ですが、ハイテクが強いのはS&P500の特徴ではなく、米国の産業全体の特徴です。
セクター比率は、時代によって大きく入れ替わります。
エネルギーセクターが大きく目立つ時もあれば、金融セクターが大きく目立つ時もあります。
セクター比率は、時代を最も反映しています。
この「適者生存」「新陳代謝」こそが、S&P500が選ばれる理由の1つです。
時代によって投資先が入れ替わるので「S&P500は何に投資しているのか?」という質問には、セクター比率の推移を見ないと答えられません。
ちなみに、各セクターを代表する企業は以下の通りです。
- 情報技術(IT):Apple、Microsoft
- ヘルスケア:Johnson&Johnson、Pfizer
- 一般消費財:Amazon、Disney
- 金融:JPMorgan Chase & Co.、Bank of America
メガビック企業ばかりです。
⑤単位はポイント
意外に答えられないのが、S&P500の単位です。
日経平均株価の単位は「円」ですが、S&P500の単位は「ポイント」です。
皆さんも「S&P500が過去最高を更新。4,000ポイント突破」といったニュースを見たことがあるかもしれません。
S&P500の単位でありポイントは、以下のような仕組みです。
- 1941年〜1943年のS&P500構成銘柄株価の平均を、10ポイントとする
- 上記を基準とした増減を、ポイントで表す。
基準点を決めているので、そこからどのくらいポイントが増減したかを判断できるのです。
1940年代に10ポイントだったS&P500は、2023年現在、以下の通りです。
- 約80年間にわたり右肩上がりを続けている
- 4,000ポイントオーバー(2023年4月現在)
⑥EPSが右肩上がり
EPSは、1株あたりの利益のことです。
株式投資で非常に重要な指標です。
EPSを見れば企業の収益性がわかるため、投資の神様ウォーレン・バフェット氏も重視しています。
S&P500のEPSの推移は以下の通りです。
上昇と下落を繰り返していますが、長期的には右肩上がりを続けています。
S&P500のポイントが右肩上がりになっている背景には、EPSの右肩上がりが関係しています。
つまり、S&P500に含まれる企業が利益を出し続けていると、株価も上がっていくわけです。
ちなみに、S&P500に含まれる企業が利益を出し続けている秘密は、やはり「新陳代謝」にあります。
- 利益を出せない企業を除外する
- 利益を出せる企業を組み入れる
厳格なアメリカでは、戦力外通告で消えている会社は後を断ちません。
企業にとっては残酷かもしれませんが、投資家にとってはありがたい仕組みとなっています。
一方で、他国の指数は新陳代謝がうまく機能しないので、「ゾンビ企業が生き残っているからダメだ」と言われることがあります。
日本企業も新陳代謝がうまく機能していません。だから当ブログでは、日経平均のインデックス指数をおすすめしていません。
まとめ:S&P500の中身を理解して、握力を強くしよう
今回の記事では、以下の2点を解説しました。
- S&P500の歴史
- 絶対に覚えておきたいS&P500の6つの特徴
S&P500の「S&P」は「Standard&poor’s(スタンダート・プアーズ)」の頭文字です。
1941年にスタンダード・スタティスティックス社とプアーズ出版が合併してできた会社です。
紆余曲折を経て、現在は「S&P500グローバル」という会社名に変わっています。
S&P500は1957年に完成して以来、世界で最も注目される最強の株価指数の1つになっています。
「Poor」は貧乏という意味じゃなくて、人の名前ですよ。
絶対に覚えておきたいS&P500の6つの特徴は、以下の通りです。
- 構成銘柄上位はGAFAM
- 2023年4月時点で上位10社で27.9%を構成
- 時価総額加重型の指数
- 人気企業ほどたくさんウエイトを占める
- 厳格な採用基準
- 米国企業であること
- 時価総額が61億ドルを超えること
- 浮動株比率が最低50%あること
- 健全な財務(黒字決算)であること
- ユニバース全体のセクター構成に等しくなること
- 現在はIT・ヘルスケアが主力セクター
- 単位はポイント
- EPS(1株あたり利益)が右肩上がり
今回の記事を読んでいただければ、S&P500がなぜ最強と呼ばれているのか理解できると思います。
S&P500は、アメリカという金融先進国において、歴史の荒波にもまれながら厳格に運用されてきた結果、長期的に右肩上がりを続けてきました。
- 短期で見れば、マイナスを経験する
- 長期で見れば、トータルで右肩上がりを期待できる
米国の人口動態や企業文化を見る限り、今後も右肩上がりの傾向は継続する確率はとても高いでしょう。
S&P500は過去100年、3年以上連続でマイナスになったことは3回しかありません。
数多くの戦争や経済危機を乗り越えて、成長してきた歴史と実績があります。
なのでS&P500は、暴落しても安心して買い増ししていける数少ない指数だと言えるかもしれません。
米国株の強さは下記の記事で詳しく解説しています。
今回の記事を読んでS&P500に投資してみたいと思った人は、「SBI証券」で口座開設してみてください。
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今回の記事を読んで、S&P500の魅力を答えられる人が増えたら嬉しいです。
今回の記事内容は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。それでは失礼します。