バフェットとソロスから学ぶ勝利の投資学|最強の投資家に共通する23の習慣を解説!
こんにちは。しんです。
今回は、書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』を紹介します。
本書は、大成功した2人の投資家の共通点をまとめた本になります。
ウォーレン・バフェットとジョージ・ソロス、2人の投資手法や考え方はまったく違うものですが、その中にある共通点を抽出し、なぜ彼らが投資で成功を収める事ができたのか考察しています。
成功するための一番の近道は成功者のマネをすることです。
この本は、その見本となるよな書籍だと思います。
本書は、第一部の『バフェットとソロスに学ぶ「成功する投資の習慣」』、第二部の『成功する習慣を身につける』の二部構成になっています。
今回の記事では、第一部の『バフェットとソロスに学ぶ「成功する投資の習慣」』で紹介されている、2人に共通した成功する23の習慣から厳選した10習慣を紹介します。
それでは、解説していきます。
バフェットとソロス
最初にざっくり2人がどんな人物なのか紹介します。
ウォーレン・バフェットとジョージ・ソロスは世界三大投資家といわれる中の2人なります。
ウォーレン・バフェット
ウォーレン・バフェットは「世界一の投資家」や「オマハの賢人」などの異名があります。
アメリカのネブラスカ州オマハ出身で1930年生まれの93歳(2024年2月現在)です。
アメリカの上場企業「バークシャー・ハサウェイ」のCEOをしています。
2024年2月現在の資産は1304億ドル(約19兆5600億円)になります。
桁が違いすぎてよくわかりません。
ジョージ・ソロス
ジョージ・ソロスは「イングランド銀行を潰した男」という異名があります。
ハンガリーのブダペスト出身で1930年生まれの93歳(2024年2月現在)です。
ヘッジファンドという呼称さえ確立していなかった黎明期の1969年にクウォンタム・ファンドを設立し、投資家としてのキャリアを開始しました。
1998年には世界最大のヘッジファンドとなり、2010年時点の運用資産は史上最大の270億ドルに達しました。
2024年2月現在の資産は67億ドル(約1兆50億円)です。
紹介はこれくらいで、次から2人の共通する成功習慣を解説していきます。
成功する習慣①:元本の確保こそが常に最重要事項
達人:最重要事項は元本を確保することだと信じている。それこそが彼の投資哲学の礎石である。
負け犬:「がっぽり儲ける」ことだけが目的。結果としてよく元本を失う。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
ウォーレン・バフェットの名言に以下のようのものがあります。
- 投資のルール①:決してお金を失うな
- 投資のルール②:ルール①を絶対に忘れるな
ジョージ・ソロスは以下のように言ってます。
- まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。
彼らは投資元本を守ることを重要視しています。
仮に、元本の50%を失ってしまった場合、元本を取り戻すためには資産を倍にしなければいけません。
元本を年利12%で運用(かなりのハイリスク)できても、回復するまで6年の歳月が必要になります。
これは、ひどい時間の無駄になってしまいます。
年利12%で運用して6年かかるのと、とにかく損をしないことを第一に考えること、どちらが簡単でしょうか?
2人は金を稼ぐことより減らないようにする事がずっと簡単だと知っているのです。
バフェットとソロスはともに、損失を避けることに熟練しているからこそ世界で最も成功した投資家なのです。
バフェットは以下のようにも言っています。
「厄介なことから抜け出るよりは、最初から近寄らないほうが簡単だね」
成功する習慣②:能動的にリスクを回避する
達人:(習慣①の結果として)リスク回避的である。
負け犬:大きな利益は大きなリスクをとってこそと思っている。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
習慣①で紹介した「元本の確保を最優先」することで、リスクを回避することができます。
バフェットとソロスの2人は大きく異なる方法でリスクを管理しています。
バフェットのリスク管理法は、自分が推定した企業価値を大きく下回る価格で買えるときに限って投資することです。
バフェットはその値引き幅を「安全余裕度」と呼んでいます。
ソロスは能動的にリスクを管理しています。
能動的にリスクを管理するためには、常に市場に神経を集中して注意を払わなければいけません。
さらに、何か間違っていた事がわかり路線変更をするときには冷静に即座に行動する能力が必要です。
ソロスは以下の3つのリスク管理ルールを持っています。
- リスクをとるのはかまわない。
- リスクをとるのはかまわないが、すべてを賭けてはいけない。
- いつも、急いで逃げる準備をしておけ。
ソロスが一番重要視していたことは、まず生き残ることでした。
ほとんどの投資家は取るリスクが大きくなればなるほど期待できるリターンも大きくなると信じています。
対照的に、投資の達人はリスクとリターンが関係しているとは考えません。
期待利益がプラスの時だけ投資することで、達人のとるリスクは非常に小さいか、あるいは皆無になります。
成功する習慣③:独自の投資哲学を持つ
達人:自分の性格、能力、知識、好み、および目的に基づいて独自の投資哲学をつくりあげる。結果として、非常に成功している投資家の投資哲学は一つとして同じにはならない。
負け犬:投資哲学を持たない、あるいは誰か他の人の真似をする。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
バフェットとソロスは、それぞれ時間をかけ、考えぬいた末に、市場が不安定になろうとも、揺るぎない明確で一貫した独自の投資哲学を打ち立ています。
バフェットとソロスの共通しているところは、未来が予測できない投資の世界で自分の投資哲学に則れば確実に儲けることができると信じているところです。(もちろん儲けています)
つまり2人とも有名な、効率的市場仮説やランダムウォーク理論といった投資哲学を真っ向から否定しているのです。
成功する習慣④:投資を選び、自分独自の売買手法を開発する
達人:投資を選び、自分独自の銘柄選択および売買手法を開発し、実証している。
負け犬:手法を持っていないか、実証もせずに他人の手法を真似し、自分をそれに合わせている(その手法が自分ではうまくいかなければ、別のを真似し…やっぱりうまくいかない)。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
2人は別々の投資基準を持っています。
バフェットは1ドルの価値を安い値段で買うことに注力しています。
つまり「質の良い事業をいい価格で」と要約することができます。
そして、事業の質こそがバフェットの測るものになります。
ソロスはミスターマーケットの気分の変化で稼ぎます。
ソロスは将来起きることについて仮説を立て、それに基づいて投資の意思決定を行います。
つまりソロスが測るのは、自分の仮説の質と事態の展開なのです。
このように2人別々の投資基準を持っていますが、共通点もあります。
それは、ソロスがイングランド銀行を倒した時やバフェットがコカ・コーラに投資したとき例が示しています。
2人とも投資をする際の適正な投資額の決め方は「投資できるだけ投資する」と考えていることです。
ともに「分散投資なんて小鳥さんがやることだ」という一点で共通しています。
成功する習慣⑤:分散投資なんて小鳥さんのやることだ
達人:分散投資なんて小鳥さんのやることだと信じている。
負け犬:一つの投資に大きなポジションを取れるほど確信できない。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
投資の世界では以下のようにすることが最適だと考えらています。
- 資金は株式、債券、および現金に分けて投資しなければならない。
- 株式ポートフォリオはさまざまな株式、望ましくはさまざまな業種や国に分散するべきだ。
しかし、分散投資のまったくの逆「少数銘柄への集中投資」こそ、バフェットとソロスの成功の秘訣なのです。
バフェットは「分散投資は無知に対するヘッジだ。自分で何をやっているかわかっている者にとって分散投資はほとんど意味がない」と言っています。
ソロスも、投資を成功に導くのは「元本の確保とホームランだ」と言っています。
2人ともどっちつかずの金額では満足しません。
チャンスが訪れるとき、彼らは資産に大きな違いをもたらすだけの投資をするのです。
成功する習慣⑥:自分に理解できるものだけ投資する
達人:自分に理解できるものだけに投資する。
負け犬:自分のやっていることを深く理解することが成功の条件だとわかっていない。自分の知っている範囲に儲けるチャンスが(おそらくたくさん)転がっていることにほとんど気づかない。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
この説明は簡潔にウォーレン・バフェットの言葉で紹介します。
「自分の土俵ということについて一番重要なのは、土俵がどれだけ広いかではなく、土俵の円をはっきり描くことだ」
つまり、自分の基準を通して投資の世界を見ることで、彼には自分で理解できる投資対象しか目に入らなくなるのです。
成功する習慣⑦:自分の基準に合わない投資は拒絶する
達人:自分の基準に合わない投資は拒絶する。合うもの以外には躊躇なく「ノー!」と言える。
負け犬:基準自体持っていない。あるいは誰かの基準を真似している。欲に目が眩んで「ノー!」と言えない。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
バフェットとソロスは自分の土俵を作る際、以下のような自問自答をします。
- 自分は何に興味を持っているだろうか。
- 自分は今何を知っているだろうか。
- 自分は何を知りたいだろうか。何を学びたいだろうか。
もう一つ重要なことは、自分が興味を持った分野で金儲けはできるかという点です。
彼らは、上記の3つの自問に答えてはじめて、自分の投資ニッチを見つけます。
そこで自分の限界がはっきりわかるようになります。
そうしてはじめて、自分の基準に合わない投資「チャンス」をやり過ごせることができるようになります。
それが結果として、損を防ぎ、儲けを出すことができるようになるのです。
成功する習慣⑧:自分の手で調べる
達人:自分の基準に合った新しい投資機会をいつも探しており、自分で積極的に調査を行う。十分な敬意に値する投資家やアナリストにだけ耳を貸す。
負け犬:「千に一つ」の大ヒットのような安易な道を探す。その結果、往々にして「今月の耳寄り情報」に従う。いつも「専門家」らしき人の言うことを聞く。買う前に投資対象をよく研究するなんてことはめったにしない。「調査」と言えば、ブローカーやアドバイザー、あるいは昨日の新聞からの最新の「耳寄り話」を仕入れることを指す。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
バフェットはインタビューで投資の初心者に以下のようなアドバイスをしています。
「私が40年ちょっと前にやったのとまったく同じことをすればいい。アメリカの上場企業を全部調べるんだ。長い目で見ればそうして得られる知識はとても役に立つだろう」
バフェットやソロスは、投資の世界を自分たちの投資基準というフィルターを通してみています。
彼らは人からどう見られようと気にかけていません。
そればかりでなく、他の人が思うことや言うことは彼らにとってほとんど、あるいは完全に無価値なのです。
バフェットは「自分で考えなければならない。知能指数の高い人たちが考えもなしに他人を真似するのを見るたびに驚いてしまう。人と話していい考えが得られたことは一度もない」とさえ言っています。
彼らにとって、唯一他人に頼っていいのは、その人が自分と同じ投資哲学を持っている人です。
さらに、自分とまったく同じフィルターを使いこなしてものを見ている場合なのです。
成功する習慣⑨:無限の忍耐力を持つ
達人:自分の基準に合う投資対象が見つからないときは、見つかるまでいつまでも待てるだけの忍耐力を持つ。
負け犬:四六時中市場で何かをやっていなければならないと思い込んでいる。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
バフェットもソロスも自分の投資基準にこだわるなら投資できるものがないことがあり、場合によってはそうした期間が長期に及ぶこともあると知っています。
2人ともいつまでも待ち続けるだけの忍耐力を持っています。
バフェットは「怠惰の罪に迫るほど何もしない、というのが私たちの投資スタイルの基本だ」と言います。
ソロスも何もしない時間があってもイライラするしたりはしません。
むしろ、ソロスはそうした時間が重要だと考えており「成功するためには暇な時間が要る。両手にたっぷり余るぐらいの時間が必要だ」と述べています。
成功する習慣⑩:全財産を賭ける
達人:全財産を賭けて投資する。たとえば、ウォーレン・バフェットの個人資産は99%がバークシャー・ハサウェイの株式であり、同じように、ジョージ・ソロスも財産のほとんどをクウォンタム・ファンドに投資している。2人とも、個人資産の運命は彼らの運用に財産を任せた人たちともにある。
負け犬:投資は個人資産にほとんど影響を与えない。実際、こういう人の投資活動はその人の財産を危険に晒すだけだ。投資資金(や損を埋めるための金)は、事業からあがる利益、給料、年金、ボーナスなどで賄う。
書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』からの引用
これは、成功している事業家が財産を自分の会社に注ぎ込むのと同じ理由です。
投資の達人はみな、自分の金を賭けています。
自分のやり方で投資するのが、彼らにとって金を儲ける一番簡単な方法だと知っているからです。
そして、バフェットやソロスもそういうやり方をするのが好きなのです。
自分が自分の投資戦略にどれだけの財産を賭けているか考えてみてください。
出た答えは、自分のやり方にどれだけ自信を持っているか示す一番いい指標になります。
まとめと読むべき人
今回は書籍『バフェットとソロス 勝利の投資学』から2人の共通する成功習慣を10こ紹介しました。
次の10習慣です。
- 元本の確保こそが常に最重要事項
- 能動的にリスクを回避する
- 独自の投資哲学を持つ
- 投資を選び、自分独自の売買手法を開発する
- 分散投資なんて小鳥さんのやることだ
- 自分に理解できるものにだけ投資する
- 自分の基準に合わない投資は拒絶する
- 自分の手で調べる
- 無限の忍耐力を持つ
- 全財産を賭ける
私的には納得するものもあれば、自分とはちょと考え方が違うなぁと思う部分もありました。
投資で大成功を収めている2人の共通点なので、ぐうの音も出ませんが…。
若干とがっている部分もあるので、投資をまだしていない人には難しいところがあるかもしれません。
でも、世界三大投資家のうちの2人の投資手法や投資哲学の話なので、参考になる部分はたくさんあります。
「読んで失敗した…」となることはありません。
本書ではさらに成功する習慣を身につける方法を書かれているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
今回の記事の内容は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
この記事が何かの役に立てれば幸いです。
それでは失礼します。