新NISAを広げる|なぜ「高配当株」を、無理にやらなくていいのか?
新NISAを2〜3年続けた人が、ほぼ全員ぶつかる問いがあります。
「インデックスをただ積み立てるだけで、本当にいいんだろうか」
含み益はゆっくり育っている。でも、画面の数字でしかない。
SNSを開けば、「配当金が月10万円振り込まれた」という投稿が流れてくる。
何か、もう一つ、自分の手で「育てている感じ」が欲しくなる――。
💡結論を、先に書きます。
新NISAは、インデックス投資だけで完成です。
高配当株は、コツカブのロードマップでいうと「STEP⑥|広げる」。
ただし、これは やってもいいし、やらなくてもいい。あくまで選択肢のひとつです。
「STEP⑥まで進まないと完成しない」なんてことは、まったくありません。
本記事を1行で言うと、こうなります。
📌本記事の核心メッセージ
- インデックス投資は「未来の自分」を豊かにする道具。
- 高配当株は「今の自分」を豊かにする道具。
両方持つのもいいし、片方だけで十分な人もいます。
大事なのは、自分がどちらを欲しているかを、自分で言葉にできるようになることです。
そのうえで、私自身は 特定口座で日本の高配当株を50銘柄以上に分散して運用しています。
本記事では、その実体験から、推しすぎず・引きすぎず、フラットに書きます。

こんにちは!救急隊長しんです。
大阪で17年以上、消防士として働いていて、そのうち10年以上を救急隊長として今も現場の最前線で活動しています。
40代、奈良で妻と息子2人と暮らす4人家族、住宅ローン35年もち。
2020年から、新NISAでインデックス投資、特定口座で日本の高配当株、そして仮想通貨を、それぞれ用途を分けて運用しています。
現場では「安全管理が最優先」が鉄則です。
投資も同じ。今日は、派手な話を一切せずに「広げる」という選択肢を語ります。
- 高配当株とインデックスの決定的な違い(=アクティブ投資の本質)
- 私が新NISAではなく 「特定口座で50銘柄以上」に分散している理由
- 始めるなら、最初に踏むべき 3つの心構え
本記事は、コツカブの「40代から始める新NISAロードマップ」シリーズの最終STEPです。
ここまで来てくれた方、本当にありがとうございます。最後の章を、一緒に歩きましょう。
まず、5つの質問で「読み進めるか」を決めてください

長い記事です。
だから、最初に あなたが読み進める価値があるかどうかを判断してもらいます。
下の5つの質問に、心の中で「YES/NO」で答えてみてください。
✅「広げる」が向く人チェック
- 新NISAの含み益を見ても、正直、実感が薄いと感じる
- 給料以外に、自分の手で「生み出している感覚」が欲しい
- 銘柄を調べることが「面倒」より「ちょっと楽しそう」と思える(または、ETF1本で割り切れる)
- 運用に 月1〜2時間使うことに、抵抗がない
- 新NISAは止めずに、それと 別の予算を持てる経済的余裕がある
4つ以上YESの方 → この記事は、あなた向きです。
最後まで読んでください。きっと、何かが見つかります。
3つ以下YESの方 → 正直、今は読まなくていいです。
新NISAでオルカンかS&P500を毎月積み立てて、20年「何もしない」。これだけで、人生のお金の心配は十分に軽くなります。

正直に言うと、
世の中の40代の 8割以上は「向かない人」だと、私は思っています。
それは、悪いことじゃありません。
むしろ、インデックス積立を20年続けるだけで人生のお金問題はほぼ解決するんだから、「向かない」のはむしろ幸せなんです。
この記事は、残りの2割――どうしても「もう一つ」が欲しい人だけのために書いています。
それでも私が「広げる」を書く、たったひとつの理由

STEP⑤『新NISAを育てる|なぜ「何もしない」が、いちばん難しくて、いちばん重要なのか?』で書いたとおり、新NISAでもっとも効くのは、オルカンかS&P500を毎月淡々と積み立てて、20年「何もしない」という戦略です。
これだけで、20年後には数百万円〜千万円超の資産が育ちます。
人生を変えるには、これで十分です。
では、なぜ「STEP⑥|広げる」を書くのか。
理由はひとつです。
新NISAを2〜3年続けていると、「もう一つの何かが欲しくなる」瞬間が、どうしても出てくるからです。
そして、このタイミングで レバレッジ・FX・テーマ株・草コインみたいな、ハイリスクな世界に手を出してしまう人がいる。
私は、そうやって損をする人を何人も見てきました。私自身が、その一人です。
だから、「もう一つの何かが欲しくなった人」が、危ない世界に流れる前に。
比較的、地に足のついた選択肢として「高配当株」を置いておく。
これが、STEP⑥を書く本当の目的です。
攻めるためじゃない。もっと危ない場所に行かないようにする、防波堤としてです。
STEP⑥は「攻め」の章ではなく、「守り」の章として読んでください。
高配当株とインデックスは、「同じ株式投資」じゃない

高配当株を始める前に、絶対に知っておいてほしいことがあります。
「インデックス投資」と「高配当株投資」は、性質がまったく違います。
同じ「株式投資」というラベルで括られていますが、中身は別物です。
ここを混同したまま始めると、STEP⑤で書いた「ほったらかしの強さ」がそのまま使えず、戸惑うことになります。
| 観点 | インデックス投資 | 高配当株投資 |
|---|---|---|
| 戦略 | パッシブ (市場全体に乗る) | アクティブ (銘柄を選ぶ) |
| 必要な勉強 | ほぼ不要 | 業績・配当・財務の分析が必要 |
| 月の手間 | ほぼ0時間 | 月1〜2時間以上 |
| 期待リターン | 市場平均 (年5〜7%目安) | 配当3〜4%+値上がり (不確実) |
| 分散 | 1本買えば数千銘柄に自動分散 | 自分で20〜50銘柄に分散する必要 |
| 受け取り方 | 含み益 (売って初めて現金化) | 配当金が口座に振り込まれる |
| 時間軸 | 未来の自分を豊かにする | 今の自分を豊かにする |
| 向く人 | 忙しい人・面倒が嫌な人 | 銘柄分析を楽しめる人 |
表の最後の 「時間軸」 の行に注目してください。
ここが、本記事でいちばん伝えたいことです。
インデックス投資は、「未来の自分」を豊かにする道具です。
20年・30年と寝かせて、複利を効かせて、老後や定年後の自分が安心して暮らすための土台を、いま作る。
今日のキャッシュフローには、ほとんど効きません。代わりに、未来に大きく効きます。
一方、高配当株は、「今の自分」を豊かにする道具です。
3か月・6か月ごとに配当が振り込まれて、給料とは別の収入源として、いまの生活にじわじわ効いてくる。
20〜30年単位の総額では、たぶんインデックスに勝てません。代わりに、今日の手応えを連れてきてくれます。
この2つは、競合する関係ではありません。
役割が違う、別の道具です。
両方持つのもアリだし、未来だけでいい人はインデックスだけで十分です。
そして、もうひとつの大事な前提|アクティブ投資の難しさ
高配当株が「アクティブ投資」だ、ということは、知っておく必要があります。
アクティブ投資とは、簡単に言うと 「自分で銘柄を選んで、市場平均ではなく『個別の選択』で勝負する」投資のことです。
インデックス投資のように「市場全体を買って放っておく」のとは、考え方の根本が違います。
そして、世界の名著がそろって言っているとおり、「アクティブ投資の9割は、市場平均(インデックス)に勝てない」のが歴史的事実です。
15年間のプロのマネージャーの成績を見ると、90%はインデックス投資に及ばない。
プロでさえ、市場平均に勝つのは難しい。
私たちのような個人投資家が、片手間でやって市場平均を上回るのは、もっと難しい。
つまり、高配当株を始めるということは――
「市場平均より儲かるかもしれないし、儲からないかもしれない、不確実な世界」に踏み込む、ということです。
インデックスのように 「20年続ければ、ほぼ確実に増える」という前提が、そのままでは効きません。
これが、STEP⑤の「ほったらかし戦略」とSTEP⑥の「アクティブ戦略」の、根本的な違いです。
では、なぜ私は手間をかけて高配当株をやるのか

ここまで、ブレーキばかり踏んできました。
「やらなくていい」「インデックスで十分」「アクティブは不利」――。
それでもなお、私が銘柄を調べ、50銘柄以上に分散して、特定口座で日本高配当株を運用しているのは、なぜか。
理由は、たったひとつです。
「配当金が、本当に銀行口座に振り込まれる」――この体験が、インデックスでは絶対に得られないものだから。
言い換えれば、私は「今の自分」を豊かにする道具を、もう一つ欲しかったんです。
インデックスは20年後の自分には大きな贈り物になりますが、今日の私の財布や気分には、ほとんど何もしません。
そのギャップを、配当という形で埋めにいった――それだけのことです。
画面の数字と、通帳の記載は、別物だった
インデックス投資の含み益は、画面の数字です。
「+150万円」と表示されていても、それは売って初めて現金になる。
それまでは、銀行口座に1円も入ってきません。
これが、インデックスの強みであり、同時に「実感の薄さ」の原因でもあります。
一方、
高配当株の配当金は、本当に銀行口座に振り込まれます。
- 3月末・9月末に決算がある日本企業なら、6月・12月に配当が振り込まれる
- 米国ETFなら、3か月に1回(年4回)配当が入る
- たとえば日本高配当株を300万円分・利回り4%で持つと、年間12万円(税引後で約9.5万円)
- 月換算で、約8,000円弱の「自動入金」が増える感覚
スマホに入金通知が来る。通帳に「配当金」と記載される。
「自分が買った会社が、自分の代わりに働いて、お金を生んでくれた」という、はっきりした実感がある。

正直に書きます。
6月と12月に、保有している日本企業からまとめて配当が振り込まれる日があるんです。
私の場合は、いまは月平均で1万円弱。たいした金額じゃありません。
でも、あの振り込まれた瞬間の感覚は、インデックスの含み益が同じ金額分増えるのとは、まったく別の手応えがあります。
「何もしてないのに、お金が入ってきた」という、感覚。
給料とも違う、画面の数字とも違う、第三の収入。
STEP⑤で「何もしない」と書いた私が、それでも特定口座では「何かしている」。
その矛盾の答えが、ここにあります。
未来の安心はインデックスに任せて、今日の手応えを高配当株から受け取る。
これが、私の心地よい感じです。
ただし、フェアに書いておきます
ここで、冷静に補足させてください。
この「振り込まれる体験」が、20年・30年単位の 総額で見たときに、インデックスより大きいかどうかは、まったく別の話です。
むしろ、長期トータルリターンで見れば、インデックスのほうが上回る確率が高いというデータも多くあります。
💡つまり、高配当株は――
「合理的に儲かる戦略」というより、「お金との関係を、より実感のあるものにする戦略」に近い。
ここに価値を感じない人にとっては、わざわざやる理由はありません。
あなたの問題は、まだ十分に裕福ではないことではない。
あなたの問題は、いま自分が持っているもので、満足することを知らないことだ。
「もう一つの何か」を探す前に、今のインデックス積立で本当に物足りないのかを、もう一度自分に聴いてみてくださいください。
そのうえで「やっぱり、配当という体験は欲しい」と感じたら――次の章に進みましょう。
私のリアル|なぜ「特定口座×50銘柄以上」なのか

ここからは、私自身のスタイルを正直に開示します。
あくまで一例ですが、「広げる」をどうやっているかの参考になれば。
スタイル①|口座は「特定口座」、新NISAは使わない
私は、日本の高配当株を すべて特定口座で買っています。
新NISAの成長投資枠では、買っていません。
理由は、シンプルです。
新NISA(生涯枠1,800万円)は、最終的に すべてインデックス投資に使いたいから。
- つみたて投資枠(年120万円)→ オルカン or S&P500
- 成長投資枠(年240万円)→ こちらもインデックス(S&P500やNASDAQ100など)に使う前提
もし成長投資枠で日本高配当株を買えば、配当が非課税(通常 約20% → 0%)になるメリットはあります。
でも、それと引き換えに、本来 インデックス長期投資に使えるはずの非課税枠が消費されてしまう。
20年単位で見たとき、ここはインデックスに振った方がトータルでは効く――というのが、私の判断です。
なので、高配当株は税金約20%を払うことを承知のうえで、特定口座で運用しています。
💡 これは私個人の判断軸です。
「成長投資枠で日本高配当株を買って、配当を非課税で受け取る」という戦略も、もちろんアリです。正解がひとつではないです。
公務員の方の高配当株戦略については、こちらの記事で詳しく書いています:公務員の高配当株投資完全ガイド|始め方から銘柄選びまで5ステップ
スタイル②|なぜ50銘柄以上に分散するのか
私は、日本の高配当株を 50銘柄以上に分散しています。
「そんなに買えるの?」と思われるかもしれません。
でも、SBI証券の「S株(単元未満株)」を使えば、1株から数百〜数千円で買えるので、月数万円の予算でも十分組めます。
50銘柄以上に分散する理由は、シンプルに 「個別の減配リスクを薄めたい」から。
| 分散度 | 1社が減配したときの影響 |
|---|---|
| 1〜3銘柄に集中 | ポートフォリオ全体が大きく揺れる |
| 10銘柄に分散 | 影響は10%前後(まだ大きい) |
| 50銘柄に分散 | 影響は2%以下に抑えられる |
さらに、複数業種に分散(商社・通信・銀行・素材・食品・医薬・インフラ など)すれば、業界丸ごとの不調にも耐えやすい。
感覚としては、「自分でオリジナルのETFを作っている」に近いです。
プロの高配当ETFほど精度は高くありませんが、自分の判断軸で選んだ銘柄群が、毎年配当を運んでくれる。
このプロセスそのものが、ひとつの 趣味のようになっています。
スタイル③|銘柄選びは月1〜2時間。見るところは決めている
銘柄を選ぶときに何を見ているか、ざっくり書いておきます。
💡私が高配当株を選ぶときに見ている主なポイント
- 連続増配・累進配当を宣言している、または続けている会社
- 配当性向が30〜50%程度に収まっている(高すぎは無理が出る)
- 自己資本比率40%以上(暴落耐性)
- 営業利益が直近5〜10年で大きく崩れていない
- 配当利回り3〜5%が目安(7%超は減配リスクの黄信号)
これを、IRバンクや四季報を見ながら、銘柄1つあたり10〜15分で確認します。
新規で銘柄を増やすときに、月1〜2時間。
それ以外は、すでに保有している銘柄の決算を年2回ざっと眺めて、明らかな業績悪化がないかをチェックする程度です。
詳しくは別記事『【初心者向け】高配当株の選び方|IRバンクで見るべき8項目』で書きました。
「これくらいの手間なら全然OK」と思える人もいれば、「無理、絶対やらない」と感じる人もいるはずです。
そして、それはどちらも正解です。
「銘柄分析は無理」という人には、米国高配当ETF

「銘柄分析を1から始めるなんて、絶対無理」
「でも、配当が振り込まれる体験は、やってみたい」
そういう方には、米国高配当ETFという強力な選択肢があります。
代表的なのは、次の3本です(2026年5月時点の最新データ)。
| ETF | 特徴 | 経費率 | 配当利回り(目安) | 銘柄数 |
|---|---|---|---|---|
| VYM | 分散の効いた王道。増配の安定性が高い | 0.04% | 約2.3〜2.4% | 約612 |
| HDV | 財務優良な大型株に絞ったディフェンシブ型 | 0.08% | 約3.4% | 約74 |
| SPYD | 高利回り重視。均等加重でセクター偏りあり | 0.07% | 約4.0〜4.5% | 約78 |
特にVYMは、コスト・分散・実績の3拍子が揃った、完成度の高い商品です。
- 1株(数千円)から買える
- 約 612銘柄に自動分散される
- 経費率 0.04%(VOOと並ぶ低コスト水準)
- 長期で連続増配を続けてきた実績
- 銘柄分析の手間がほぼゼロ
「日本高配当株を50銘柄選ぶ」のと「VYMを月数千円から積み立てる」のを比べたら、忙しい40代にとっては、後者のほうが圧倒的に現実的です。
米国ETFの注意点|フェアに3つ書いておきます
米国ETFには、日本の高配当株にはない注意点が3つあります。
ここはきちんと押さえてから、判断してください。
⚠️米国高配当ETFの3つの注意点
- ① 配当の二重課税
- 米国株・米国ETFの配当は、まず米国側で10%課税されたうえで、日本に届きます。
- 新NISA口座(非課税)でも、この米国側10%は残ります。
- ※特定口座なら、米国10%+日本約20% の二重課税の一部を「外国税額控除」で取り戻せますが、新NISAではこの控除が使えません。
- ② 為替リスク
- 配当は米ドルで支払われます。受け取り時のドル円レート次第で、日本円ベースの配当額は毎回ブレます。
- 長期で円高に振れれば、配当の円換算額は減ります。
- ③ 為替手数料
- 円貨決済で米国ETFを買う場合、ドル転換時に為替手数料がかかります(SBI証券では、住信SBIネット銀行経由でほぼ最安にできますが、ゼロではありません)。
私の判断軸|「税引後利回り3.5%」

正直に書きます。
私は今、米国高配当ETFは 1株も買っていません。
ただ、これは「VYMが嫌いだから」ではないんです。
私の判断軸は、「税引後利回り3.5%」。これを下回るうちは、買いません。
株価がもっと下がって、税引後利回りが3.5%まで上がってきたら、たぶん私も買い始めます。
その意味で、VYMというETF自体は10年単位で増配を続けてきた、シンプルかつ強力な商品だと思っています。
実際、計算をしてみると、
今のVYMの税引前利回りは約2.4%。これを 特定口座で受け取った場合の、税引後利回りは――
税引後利回りのざっくり計算
税引前2.4% × (1 − 米国10%)×(1 − 日本20.315%)
= 2.4% × 0.90 × 0.79685
≒ 1.72%(外国税額控除を使う前のざっくり計算)
簡単な言葉で言うと、
「税引前2.4%」 → 米国側で10%引かれて約2.16% → さらに日本側で約20%引かれて、残りは約1.72%。
外国税額控除を使えばもう少し戻りますが、それでも 2%前後。
為替リスクも考えると、私の中では「今は様子見」というだけのことです。
整理すると、こうなります。
高配当株の2つのルート
- 銘柄分析を 楽しめる人 → 日本の個別高配当株(私のスタイル:50銘柄以上に分散)
- 銘柄分析が 面倒な人 → 米国高配当ETF(特にVYMが現実的)
どちらも、それぞれの「向き不向き」がはっきりしています。
どちらかが上で、どちらかが下、ということはありません。
それでも始めてみたい人へ|3つの心構え

ここまで読んで、「それでも、高配当株を少し触ってみたい」と思った方へ。
最後に、絶対に外してほしくない 3つの心構えを置いておきます。
心構え①|インデックス積立は、絶対に止めない
これが、いちばん大事な原則です。
- 新NISAのつみたて投資枠(オルカン or S&P500)は、絶対に止めない
- 高配当株は、その「メイン口座とは別の予算」でやる
たとえば、毎月の余裕資金が5万円あるなら、3万円はインデックス、残りの2万円のうち5,000〜10,000円を高配当株に回す、くらいのバランス感です。
絶対にやってはいけないのは、「インデックスを売って、その資金で高配当株を買う」こと。
これをやると、STEP⑤で書いた 「複利の山」を、自分の手で削ってしまうことになります。
心構え②|最初は1銘柄、月数千円から
いきなり50銘柄を揃える必要は、まったくありません。
最初は、米国ETFならVYMを1株だけ。
日本株なら NTT・KDDI・三菱商事など、聞いたことのある会社を1株でOKです。
SBI証券のS株(単元未満株)なら、1株から数百〜数千円で買えて、買付手数料は無料。
まず1株買って、配当が振り込まれる体験をしてみる。
それから、自分に合うかどうかを判断する。それで、十分間に合います。
心構え③|配当金は「再投資」も「今を豊かにする」も、どちらも正解
ここは、本記事の核心メッセージとつながる話です。
配当金が振り込まれたら、その使い方は大きく2つあります。
- 選択肢A|再投資する(=「未来の自分」をさらに豊かに)
- 配当でさらに高配当株を買い増す。これを5〜10年続けると、配当が配当を生む「複利のミニチュア」が回り始めます。10年後の配当額が、最初の倍以上になることもあります。
- 選択肢B|今の生活に使う(=「今の自分」を豊かに)
- 家族との外食、子どもへのちょっとしたプレゼント、自分のささやかな贅沢。「会社が働いて運んでくれた配当で、今日を少し豊かにする」という体験は、インデックスにはない楽しみ方です。
どちらが正しいか、ではありません。
冒頭で書いたとおり、インデックスは「未来の自分」を豊かにする道具、高配当株は「今の自分」を豊かにする道具です。
配当の使い道は、その先で 「未来をさらに伸ばすか」「今を少し豊かにするか」を、自分で選んでいいんです。
私自身は、いまは8:2で再投資寄りにしていますが、買いたいものがあったらためらわず使っています。
このバランスも、人生のフェーズで変えていけばいい。
ひとつだけ、最初の1〜2回の配当だけは、あえて「振り込まれた感覚」をじっくり味わってみてください。
こんなに、何もしていないのにお金もらっていいの?って不思議な感じになります。
もっと深く知りたい方へ|次に読むべき5つの記事

ここまで読んで、もう少し具体的に学びたくなった方へ。
コツカブの「次に読む記事」を、順番にまとめておきます。
- 【初心者向け】高配当株投資の基本を徹底解説!
高配当株とは何か、メリット・デメリットの全体像から - 公務員の高配当株投資完全ガイド|始め方から銘柄選びまで5ステップ
本記事の延長線上にある、より深い5ステップガイド。公務員に限らず本業のある会社員にも有効 - 【初心者向け】高配当株の選び方|IRバンクで見るべき8項目
日本の個別高配当株を選ぶときの具体的な見方 - 米国高配当ETF3選を徹底比較|VYM・HDV・SPYDの違いと失敗しない選び方
米国ETF派の人はこちら - 高配当株投資でSBI証券を選ぶ5つの理由|デメリットも正直にレビュー
口座選びの実体験レビュー
本記事は、あくまで「広げる」という選択肢の 入口です。
実際に歩き始めたら、上の記事と各論記事に進んでください。
まとめ|新NISAはインデックスで完成。配当の世界は、覗きたい人だけが覗けばいい

STEP⑥「広げる」を、長々と書いてきました。
最後にもう一度、いちばん大事なことだけ書いておきます。
新NISAは、インデックス投資で完成です。
オルカンかS&P500を毎月積み立てて、20年「何もしない」。
これで、ロードマップとしては十分にゴールです。
STEP⑥「広げる」は、その先にある「もう一つの世界」。
覗きたい人だけが、覗けばいい。
覗いてみて、自分に合わないと感じたら、引き返してインデックスを続ければ、それで何の問題もありません。
📌本記事の核心は、
- インデックス投資は「未来の自分」を豊かにする道具。
- 高配当株は「今の自分」を豊かにする道具。
両方持つのもアリだし、未来だけでいい人はインデックスだけで十分。
今日の手応えが欲しい人は、その分の予算を別に持って、配当という形で受け取ればいい。
どちらが上で、どちらが下、ということは、ありません。
私自身は、特定口座で日本の高配当株を50銘柄以上に分散して、インデックス投資と並行運用しています。
でも、これは私のスタイルであって、コツカブの読者全員に勧めるものではありません。
「配当が振り込まれる体験」と「銘柄分析の手間」を、自分なりに楽しめる人にだけ、フィットする世界です。
米国高配当ETF(特にVYM)は、銘柄分析が面倒な人にとっての強い選択肢です。
私は今は買っていませんが、ETF自体は コスト・分散・実績の3拍子が揃った完成度の高い商品。
「税引後利回り3.5%」を判断軸に、株価が下がったら検討するつもりです。
しん

コツカブのキャッチフレーズは、「ゆっくり、でも確実に。」です。
STEP⑥まで読んでくれた方には、ひとつだけお願いがあります。
「配当」という言葉の魔力に、急に引っ張られないでください。
SNSには「配当生活」「FIRE」みたいな、煌びやかな言葉があふれています。
でも、その人たちの多くは、たぶん10年以上かけて、コツコツ積み上げてきた人です。
私たちも、急ぐ必要はありません。
この記事は、配当を勧める記事ではありません。
もう一つの何かが欲しくなったあなたが、危ない場所に流されないための、防波堤として書きました。
読んだうえで「自分には今は必要ない」と思えたなら、それがいちばん大きな成果です。
STEP①〜⑥まで読んでくれて、本当にありがとうございました。
ここからは、あなたのペースで、ゆっくり、でも確実に。
- 新NISAは インデックス投資で完成。STEP⑥「広げる」はやらなくてもいい選択肢
- インデックスは「未来」を、高配当株は「今」を豊かにする道具
- 高配当株は 「アクティブ投資」。インデックスとは性質が違い、難しい
- 「配当が振り込まれる」体験はインデックスにはない別の喜び。ただし長期総額ではインデックスが上回る可能性が高い
- 米国ETFは二重課税・為替リスクに注意。
- 始めるなら「インデックスは止めない」「1銘柄から」「配当は再投資も今に使うも、どちらもOK」
- 世の中の40代の 8割以上は「向かない人」。それでまったく問題ない
シリーズ完結|STEP①〜⑥を歩き終えたあなたへ

本記事で、コツカブの「40代から始める新NISA」シリーズ全6STEPは完結します。
- STEP①:知る → お金の正体を知ろう
- STEP②:考える → 投資の最適解を考える
- STEP③:選ぶ → 新NISAで何を選ぶ
- STEP④:始める → 新NISAの始め方
- STEP⑤:育てる → 新NISAを育てる
- STEP⑥:広げる → 本記事
ここから先は、シリーズ記事を読み返したり、暮らしの中で「あ、ここだったな」と思い出したりしながら、あなたのペースで20年を積み上げていってください。
もう一度、全体像を見直したい方は、以下の記事をどうぞ。
あわせて読みたい
- ▶ 公務員の高配当株投資完全ガイド|始め方から銘柄選びまで5ステップ(高配当株のピラー記事)
- ▶ 【初心者向け】高配当株投資の基本を徹底解説!
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- ▶ 高配当株投資でSBI証券を選ぶ5つの理由|デメリットも正直にレビュー
- ▶ 【2026年4月版】NISAで高配当株投資を始める方法|配当金で”じわじわ”増やすコツ
- ▶ STEP⑤:新NISAを育てる|なぜ「何もしない」が、いちばん難しくて、いちばん重要なのか?
- ▶ 【要約】書籍「JUST KEEP BUYING」の重要ポイント7選を解説
もし高配当株を「1株だけ」試してみたい方は、
SBI証券のS株(単元未満株)を使うと、好きな銘柄を1株から、買付手数料無料で買えます。
まずは口座だけ作っておけば、気が向いたタイミングですぐ始められます。
(何度でも書きますが、メインのインデックス積立は止めないのが大前提です。)
参考書籍・出典
参考書籍
- チャールズ・エリス『敗者のゲーム[原著第8版]』(日本経済新聞出版)
「アクティブ投資の9割は、市場平均(インデックス)に勝てない」というデータの出典。STEP⑤・STEP⑥の通底するメッセージの根拠。 - ニック・マジューリ『JUST KEEP BUYING ── 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ダイヤモンド社)
「配当はおまけ、長期トータルリターンではインデックスが優位」という視点を補強してくれる一冊。 - セネカ『生の短さについて』(光文社古典新訳文庫ほか)
「もう一つの何かを足す前に、いま持っているもので満足することを知る」という古典的知恵。投資哲学に通じる名著。
出典・参考リンク
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト
- SBI証券 公式サイト(S株の手数料・米国ETF取扱の根拠)
- Vanguard VYM 公式ページ(経費率0.04%・銘柄数約612の根拠)
- IRバンク(個別銘柄の業績・配当推移の参考)
※本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。配当利回り・税制・経費率は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
※本記事に記載の数字(配当利回り・税率・期待リターンなど)は概算であり、将来の運用成績を保証するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任でお願いします。
